大宮敏光
木村デン助
中沢信の原作・脚本を、「母つばめ」の伊賀山正光が監督、「乱撃の七番街」の福島宏が撮影した人情喜劇。主演は映画初出演の木村デン助こと大宮敏光、「少女と風船」の松島トモ子、「魚河岸の石松」の佐久間良子、それに波島進、その他、杉狂児、岸井明、浜田百合子など。
ここは浅草の一角。遠く高架を走る国電の響きとともに、デン助のオンボロ長屋にも朝がやって来た。デン助はチビと一緒に早朝から靴みがきに出かける。デン助は三年前、ガード下で泣いていたチビを拾ったのだ。デン助の心配しているのは、同じ長屋に住む、病気の母をかかえた花売娘小夜子のことだった。その小夜子に、附近の顔利きジョージはかつてない愛情を抱いた。彼は、金庫破りの容疑者として警察から追われる身であった。一日、デン助をはじめ長屋の人たちは、貧しいながらも楽しいハイキングに出かけた。が、その留守の間に小夜子の母は急に病状が悪化、息をひきとった。悲嘆の涙にくれる小夜子を、デン助はやさしくなぐさめ、自分の長屋にひきとった。一方、ジョージは金庫破りの容疑を自分に着せたチンピラどもを追い白状させようとするが、怒りにまかせて傷つけてしまった。しかし、デン助のさとしに従って自首する決心をしたジョージは、警官の口から金庫破りの容疑は晴れ、傷害罪も微細なものであることを知らされた。彼は慕う小夜子やデン助を後に、明るい表情で刑事に引かれていった。バラック界隈にまた朝が来た。小夜子もジョージと無事世帯を持つことになり、今日も靴みがきの道具を抱えたチビとデン助の姿が、都会の雑踏へと消えていった。
木村デン助
チビ
松本小夜子
松本うめ
為吉
通称ジョージ
八公
通称芸術家
通称章ちゃん
重作
金坊
タアの字
紳士
紳士夫人
近所のお内儀
百合ッぺ
サリー
留吉
チンドン屋夫婦
チンドン屋夫婦
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