ジェームズ・キャグニー
Jeremy_Rodock
「シェーン」の作者ジャック・シェーファーの短篇を「ケイン号の叛乱」のマイケル・ブランクフォートが脚色、「傷だらけの栄光」のロバート・ワイズが監督した、西部開拓に生きる男の物語。撮影監督は「オクラホマ!」のロバート・サーティース、音楽は「ボワニー分岐点」のミクロス・ローザが担当した。主演は「情欲の悪魔」のジェームズ・キャグニー、ギリシャ出身でハリウッド初出演のイレーネ・パパス、「恐怖の土曜日」のスティーブン・マクナリー、「暴力教室」のヴィック・モロー、舞台からきた新人ドン・ダビンスなど。
1873年。独立の歴史も浅いアメリカが西へ発展していく原動力はボーニイ・エキスプレスと呼ばれる幌馬車を曳く馬であった。ジェレミイ・ロードック(ジェームズ・キャグニー)は、その馬を育てる荒くれ男の1人。ワイオミングの広大な牧草地に無数の馬を飼っていた。ある日のこと、ジェレミイは馬泥棒に襲われ危ういところを通りかかったカウボーイ志願のスティーヴという青年に助けられた。これを縁にスティーヴは牧場で職を与えられ、ジェレミイの愛人ジョコスタ(イレーネ・パパス)にも紹介された。やがてジェレミイは馬泥棒を追跡し始めた。馬泥棒は捕まれば絞り首である。ジョコスタはジェレミイの馬泥棒に対する残虐な仕返しに、いつも心を悩ましていた。が、ジェレミイは、スティーヴを連れ長い追跡の旅を続けた。ジェレミイの留守中、牧童頭マクナルティは、ジョコスタにしつこく言いよった。追跡--それは徒労に終わったが--帰ったジェレミイは早速彼をくびにした。そのうち盗まれた馬が発見され、3人の馬泥棒のうち1人が捕まりジェレミイの絞り首にあった。余りの残酷さにスティーヴはジェレミイに抱いてきた尊敬の心を失った。殺された男はジェレミイの昔の相棒ピーターソンだったが、スティーヴは死体を息子のラースの家へ運んでやった。ラースは復讐を誓った。スティーヴはジェレミイの冷酷から逃れジョコスタに心の慰めを見い出し愛を打ち明けるが、彼女は無情な牧場から去った方がいいと忠告する。スティーヴも諦めて牧場を出るが途中で盗まれた馬の1頭を発見、ジェレミイに報告した。ジェレミイが駆けつけ、マクナルティ、ラースは3人を保安官のいる町まで素足で行進させた。2人の男は2日目にぶっ倒れ、ラースは反抗的に腹ばいの前進を続けた。さすがのジェレミイも苦しみを見かね、馬を与えて3人を放逐した。牧場に帰ったジェレミイに、ジョコスタはスティーヴと一緒に牧場を出ると告げた。ジェレミイにも止める力はなかった。独り戻った彼は、若いときジョコスタに贈った宝石を、いつまでもみつめていた。
Jeremy_Rodock
Steve_Miller
McNylty
Jocasta_Constantine
Lars_Peterson
Barjak
監督
原作
製作
撮影
音楽
美術
美術
編集
脚色
[c]キネマ旬報社