高橋貞二
亀野竹彦
東北・北海道の名所旧蹟を背景にした道中喜劇。野村芳太郎・山田洋治の共同脚本を、「月給一三、〇〇〇円」のコンビ野村芳太郎が監督、井上晴二が撮影した。「渡る世間は鬼ばかり ボロ家の春秋」の佐田啓二。「楢山節考(1958)」の高橋貞二、「現代無宿」の岡田茉莉子・桑野みゆき・三井弘次・桂小金治・若水ヤエ子らが出演。色彩はイーストマン松竹カラー。
銀行員鶴川松夫は三万円の金が思いがけず手に入り、東北・北海道の回遊旅行に出発した。車中で亀野竹彦というヒョーキンな男と知り合い、同行することにした。自動車修理工だという。飯坂温泉で、竹彦は宿の女中弘子に惚れるが、失敗。二人はとにかく旅行中に素晴しい花嫁を探すことにした。その夜、スリの梅吉に虎の子を盗られかけた。松島では、遊覧船上で松夫が美人を見染めた。海老原ゆりという名で、富豪の令嬢らしかった。実はデパートの売り子で、妹のトシ子と一生の想い出に大名旅行の最中だった。梅吉は松夫らと知り合ったが、上野から尾行してきた時化田刑事に捕まった。共犯の容疑で松夫・竹彦は梅吉の被害者・ハワイ婦りのヨナミネ夫妻と大ゲンカする。八戸と十和田へ竹彦と松夫はそれぞれ向った。弘前で再会したとき、竹彦は城下見物の馬車の馭者・鈴子に一目惚れした。さっそく結婚を申し込むが、彼女は一週間後、父円太郎のいる札幌で見合することになっているという。青函連絡船で二人は再びゆり姉妹に出会った。が、ゆりには北海道の牧場主の息子という宝田がつきまとっていた。彼はゆりを東京丸越デパート専務令嬢と思いこんだのだ。白老・昭和新山・洞爺湖ではアイヌ集落や湖を見物する。豊は松夫らをマイてゆりに求婚しようとしたがトシ子が邪マをする。登別で、松夫はゆりと初めて二人きりになった。倶多楽湖のほとりで彼は彼女に接吻した。その夜の宿で、ゆりは丸越の札幌支店長という男に出会った。豊の父と友達だという。ゆり姉妹は札幌の豊の牧場で、無理矢理泊められたが、素性はバレた。が、彼女はなんともなかった。姉妹は松夫たちを探した。鈴子の相手は例のヨナミネ夫妻の息子のはずだったが、息子は向うでグレてい、代りに竹彦を見込んだ夫妻が彼を養子にし、鈴子と結婚させてハワイへ連れて行くことになった。梅吉は定年の時化田刑事に同情して捕まってやった。松夫はむろん、ゆりと結ばれた。
亀野竹彦
鶴川松夫
海老原ゆり
海老原トシ子(トンちゃん)
富士山梅吉
時化田三吉
与名嶺金右衛門
妻ぎん
宝田豊
父厳
津軽円太郎
娘鈴子
丸越支店長
丸越支店長の女
福島おすが
娘弘子
すみれ会の婦人A
すみれ会の婦人B
すみれ会の婦人C
佐々木刑事
チョビヒゲの男
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