高倉健
山崎千吉
「曲馬団の娘」につぐサーカス映画で、「運河」の松浦健郎の脚本を、「三代目 魚河岸の石松」のコンビ小石栄一が監督、藤井静が撮影した。出演は「季節風の彼方に」の高倉健、「おけさ姉妹」の佐久間良子・今井俊二・松島トモ子、それに中村雅子・故里やよい・進藤英太郎など。
--船員・山崎千吉は五年前まではサーカスにいて空中ブランコをやっていた。相棒の三郎が落ち、サーカスを去ると、自分も姿を消した。おのれの過失からと悩んだのか。港の酒場で、サーカスの男を痛めつけたのがきっかけで、彼は団長に招かれ、シバタサーカスに入座した。一座の花形健次が病気で、その代役をすすめられたのだ。政代と組んで、見事な空中サーカスを見せる彼を、健次は嫉妬した。政代は千吉を慕ったが、健次の気持を柔らげようとすることも忘れなかった。人気は千吉に移り、興行は好評だった。一座の者も彼に好意を持った。が、花形歌手のエミは、彼を憎んでいた。三郎の妹。彼女は彼を兄の仇と思っていた。千吉には彼女の反撥が不審だった。彼はエミに強くひかれていた。健次もエミにあらわな欲望を示した。千吉への挑戦か。エミは次第に心がゆらいだ。千吉への別の感情が芽生えていた。彼女は故郷の兄を訪ね、事件の真相をきいた。三郎はその頃の日記を無言のまま示した。兄の過失だった。エミは喜び、素直に千吉に近づいていった。二人は結ばれ、彼女は彼の相手役となるための技を習い始めた。ついに、健次は千吉を殺そうとライオンを檻から放った。エミが千吉をかばい、危くなったが、千吉の離れ業で無事だった。健次はさらに千吉のロープにひそかに傷をつけた。呼びもの“夜間飛行”が始った。千吉とエミは地上30米のブランコで見事な技術を見せた。が、ロープは今にも切れそうだった。炊事係の源さんが傷を発見して絶叫した。「危い!」千吉はエミを抱えすばやくスタート台へ飛んだ。ロープは切れ、観衆は拍手した。これも演技と受け取ったのだ。が、千吉は誰の仕業か知っていた。健次はテント裏へ逃げこんだ。千吉は追った。空中の格闘。健次は力尽き、地上めざして落ちていった。
山崎千吉
織本エミ
佐東健次
源さん
石井喜作
政代
美子
支配人
トモ子
カンちゃん
エンちゃん
織本三郎
鉄
三平
飼育係
馬事係
電飾係
木戸番
橋本
山本
前川
松岡
和田
増本
米川
吉田
塚本
後藤
団員A
大津信子
吉川仁子
神戸れい子
渡辺富子
鈴木種子
石井千代
佐藤朝子
小林裕子
小沢テイ子
女子団員A
女子団員B
バアのマダム
バアの女給
バスの車掌
松岡
和田
与太者
トランジェスタの小助
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