大友柳太朗
十六夜右近
秋田実の原作を、「おこんの初恋 花嫁七変化」の中田竜雄と佐伯清が脚色、「花笠若衆」の佐伯清が監督した、江戸を舞台の怪奇時代劇。撮影は「怪猫からくり天井」の伊藤武夫。「新選組(1958)」の大友柳太朗、「殿さま弥次喜多 怪談道中」の大川恵子をはじめ、三条美紀・花園ひろみ・尾上鯉之助・伊藤雄之助・柳永二郎などか出演する。色彩は東映カラー。
--江戸の夏の夜。小糸は黒覆面の一味に襲われたが、十六夜右近と名乗る白装束白頭巾の剣士に救われた。小糸は娘手踊り一座の美人短剣打ちだ。もとは甲府の豪商相模屋の一人娘。父は三年前、甲府城代の拷問のために死んだ。城代の御金蔵が怪盗団・蝙蝠組に破られ、三千両が盗まれたが、その疑いをかけられたのだ。小糸は手代の源次と江戸に出、金の行方を探し、復讐の機会を狙っていた。が、仇の一味の伊勢屋甚兵衛・酒屋万助・医者良庵らは次次と何者かに殺されて行く。半日ばかりの間に。しかも、良庵の死体のそばには、小糸が舞台で使う短剣が残されてあった。疑わしい人々には、蝙蝠組の残党たちがいた。今は質商森田屋清蔵のまむしの権次、浪人伝九郎、ひさごの女主人お島ら。かれらはお互いを疑いあっていた。殺しが彼らの一人の仕業と思わす手紙が、めいめいに届いていたのだ。--医者良庵の住んでいた長屋には、一年前から幽霊が出、長屋の人々をおびやかしていた。的場陣十郎という浪人者もそこに住んでいた。彼はそば屋の吉兵衛親娘や、お島らと知り合いだ。--にやりの仙太親分が乾分留吉を連れて事件の究明に乗り出した。怪事件は続く。小糸の舞台に鏡が落ちてきたり、陣十郎が人斬り蛇の目の三十郎一味に襲われたり……。清蔵と伝九郎は何かで対立している。与力相良欣三郎も事件に乗り出してきた。この間を謎の鬼面が出没する。清蔵はお島と共に伝九郎を倒し、蓮池に沈めてあった千両箱を奪った。開けると中は石ころばかり。例の鬼面が現れ、あざ笑った。それは元の仲間の袈裟三という男であり、すべては彼の仕組んだことだった。清蔵もお島も殺された。陣十郎が救い現れ、彼を追った。袈裟三とは長屋の吉兵衛だった。陣十郎も又の名を右近、すなわち与力欣三郎だった。三十郎一味が襲いかかった。彦兵衛は娘のことを右近に頼むと、自殺した。--小糸は源次と共に右近に礼を言うと、甲州へ向って旅立った。長屋も平おんに帰った。
十六夜右近
玉川小糸
お島
お袖
お勝
源次
にたりの仙太
乾分の留吉
彦兵衛
森田屋清蔵
伝九郎
疵松
妙心斎
玉川家吉兵衛
壁安
助八
六造
甚助
お豊
良庵
大家の六兵衛
茂兵衛
お照
お加代
蛇の目三十郎
お菊
忠助
宿屋の女中
清蔵の乾分
芝居の呼込み
若い衆
良庵の書生
あんま
二人づれの娘
二人づれの娘
浪人