瀬木俊一
幸吉
「若旦那は三代目」に続く若旦那シリーズの二篇。脚本は「女探偵物語 女性SOS」の若尾徳平、監督・撮影は前作と同じく中村積・遠藤精一が担当した。出演者は前作から夏木陽介がぬけ、佐原健二らが加わる。パースペクタ立体音響。
若旦郡の三河幸吉は紀元大学のアメリカンフットボールの花形でもあるのだ。その彼が方角違いの小唄を習い始めた。これにはわけがある。父の幸助がこっそり小唄に通っていた。お目当てはどうやら小唄の師匠らしい。それがお福の耳に入りケンカになった。幸吉は父をかばい、小唄を習っているのは自分だといったが、妹のきみ子は小唄をやってみてと兄をわざとからかうのだ。--若旦郡は師匠駒子のところで半玉の小鈴とひな子と知り合う。小鈴は若旦那を連れだし、公園を散歩する。それを菜々の弟の善一が見、姉に報告した。菜々も駒子のところで小唄を習い始めた。菜々の珍妙なケイコぶりに、幸吉と小鈴はフキ出してしまう。菜々は怒って帰って行った。幸吉は困った。父幸助が駒子に誘われ、箱根へ旅行に行った。駒子には堂本というパトロンがいた。悪質新聞社の社長だ。二人で幸助をだまし、証拠写真をとって大旦那の幸兵衛をゆすろうというのだ。若旦那は父を連れもどしに後を追う。父をいさめ、引き返そうとした時、駒子が若旦那に抱きついた。その時、堂本のフラッシュがひらめく。幸吉と駒子の抱き合った写真を持って、堂本は幸兵衛をゆすりに行く。大旦那は彼をはねつけ、新聞にその写真が出た。スキャンダルである。定期戦の相手校・西暦大学は幸吉の出場を拒んだ。試合当日、花形の抜けた紀元大学は劣勢だった。菜々は小鈴から悪だくみの一切を聞き、幸兵衛のもとへ駈けつける。大旦那は幸助をつれ、試合場へ駈けつけ、西暦大学の誤解をとく。スタンドにいた幸吉は勇躍、後半戦に出場した……。こうして、紀元大は西暦大に二十七対二十六の奇跡的な逆転勝を演じたのだ。その夜三河屋で、幸兵衛は家族を集めて実権を幸助にゆずることを宣言した。これで店も立ち直るだろう。
幸吉
きみ子
幸兵衛
幸助
お福
格どん
助どん
菜々
善一
善助
お七
小鈴(半玉)
ひな子(半玉)
駒子(小唄の師匠)
堂本(中央新報社長)
島村(紀元大学米式蹴球主将)
三郎(紀元大学米式蹴球部員)
正(紀元大学米式蹴球部員)
敏夫(紀元大学米式蹴球部員)
碁の客
監督
脚本
製作
撮影
音楽
美術
編集
衣裳
照明
録音
助監督
製作担当者
スチール
記録
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