ある落日
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ある落日

1959年4月28日公開、94分
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読売新聞連載の井上靖の同名小説の映画化。大庭秀雄と「朝を呼ぶ口笛」の光畑碩郎が脚色し、「眼の壁」の大庭秀雄が監督した。撮影は「いたづら」の長岡博之。

ストーリー

山代建築設計事務所に勤める箕原信次は、三名部清子という女性から住宅の設計を依頼された。彼女はタイピストだが、第一金属の社長・小杉と離れがたい関係を結んでいる。小杉には、療養中の妻があった。だが、何も知らない箕原は、清子に対する関心を強めていった。許婚のまさみにもこのことを宣言した。まさみはそんなにまで箕原の心を捉えた清子という女性がうらやましい気持で、彼女に逢いたいと思った。そして、小杉と逢っている清子を目撃した。まさみの口から、清子と小杉のことを聞かされた箕原は、二人のもとをそれぞれたずね、自分の真情を率直に吐露した。箕原の誠実な意見は、清子と小杉の気持を激しくゆり動かした。二人は京都への旅を最後に、きっぱり別れることにした。その時は、小杉の会社は無理な経営がたたって倒産の危機に瀕していた。債権者に責められた小杉は、姿をかくした。清子の脳裏に、かつて言った小杉の言葉がよみがえった。清子と箕原は、雪の八ケ岳山麓に急行した。小杉はいた。三人は話しあった。気強く小杉と別れて、箕原と帰途に着いたものの、清子の心はすべてが終ったような、絶望的な空しさに襲われた。箕原が忘れた時計を取りに小杉の宿まで戻って行った後、清子の足は、誘われるように山の方に向っていた。箕原が発見した時、清子は雪の山中に倒れていた。箕原は「小杉さんはこれからの人生をあなたのために、あなたの望むように生きると云った。小杉さんのためにも、あなたは生きるべきだ。……」と言った。清子の瞳には、涙があった。

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作品データ

製作年
1959年
製作国
日本
初公開日
1959年4月28日
上映時間
94分
製作会社
松竹大船


[c]キネマ旬報社