疑惑の夜(1959)
疑惑の夜(1959)
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疑惑の夜(1959)

1959年6月30日公開、88分、サスペンス・ミステリー
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飛鳥高の原作を、「母と娘の瞳」のコンビ甲斐久尊が脚色し、小林恒夫が監督した推理映画。撮影は「人間の条件 第1・2部」の宮島義勇。

ストーリー

鳥居工業社長・鳥居実造が自殺を図った。一人娘の明子は、未遂に終った父から、自殺の動機を聞いた。--話はさかのぼる。鳥居は不振の町工場を手に入れた。その町工場の経営者は車にはねられて死んだ。事故死か他殺かは分らなかった。が、鳥居の相棒は車の運転ができる男だったという。その男は鳥居から際限なく金を引出した。鳥居は、その男は土木請負を表看板とし、大滝組にくいこんでいるということだけをうち明けた--。明子は大滝組に出入りする下請業者は島という男で、久里という技師と親しいことを知った。久里は島の紹介で大滝組の技師として入ったのだ。島の悪業の手引きを彼はいくたびか繰返した。今もまた、東洋ビル工事の下請予算書を持出すよう命令された。明子は久里に父の自殺の動機をうち明けた。久里に救いを求めたのだ。久里自身も島から逃げたい--。工事現場の屋上で、久里は島に予算書を手渡した。最後の取引だと言った。電車の轟音。二人は格闘した。島が屋上から落ちた。久里は島の死体を工事の杭打ちの穴に埋めた。工事が予定通りにいけば、明日セメントがこの穴に流れこむのだ。久里は自分の顔に島との類似点を見出し、巧妙なアリバイを思いついた。久里は島に変装した。バーのボーイも街の女も、久里を島と信じて疑わなかった。が、久里の計画は一夜にして崩れた。バーのボーイも街の女も昨夜島と会ったことを誰一人証明しないのだ。俺の背後に人がいる、久里は不気味だった。中条と記された脅迫状が舞いこんだ。あの屋上で島が口にした男の名だ。中条は島のボスだったのだ。島と同様に下請予算書を要求してきた。指定場所は丸の内三号ビル角にとめられたオースチン運転席。久里は、去りゆく車の後に女の影を見た。里子--久里の愛人だった。中条から再び脅迫状が来た。久里は約束の書類をオースチンに投げ入れたのち、中条の車を追跡しようと明子と相談した。オースチンを追って、二人は中条の家に忍んだ。意外、そこに里子がいた。里子は嫉妬の眼で明子を見た。中条の車が久里をめがけて進んだ。が、ハンドルを切り誤り河へ突っこんだ。絶命した中条、がその男は島だった。彼はあの時死んではいなかったのだ。久里の殺意を感じていた島は、中条をすでに殺し、自分が中条になりすましていたのだった。そして、里子は島の妹だった--。

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作品データ

原題
Night of the Suspicions
製作年
1959年
製作国
日本
初公開日
1959年6月30日
上映時間
88分
製作会社
東映東京
ジャンル
サスペンス・ミステリー


[c]キネマ旬報社