ホセ・フェラー
Marc
嫉妬深い夫に命をねらわれた妻が、魔よけの石の霊にとりつかれ、その力によって危機を脱するまでを描く。製作・監督はチャールズ・バンド、脚本はマーク・マライズ、撮影はアンドリュー・デイヴィスが各々担当。出演はホセ・フェラー、スー・リオン、ジョン・エリクスン、ジョン・キャラディンなど。
マーク(ホセ・フェラー)は、若い妻キム(スー・リオン)と2人暮らしをしているが、キムの運転が事故のもとで、今は車椅子の生活。そして、事故以来、キムを恨み殺意さえ抱いていた。ある日、キムは露店で奇妙な形の魔よけを買ってくる。マークがオカルトにこっているためだ。だが、マークは凄い剣幕で魔よけを投げすて、キムはその場を愛車で去っていった。山道を走っていると、犬が車に飛び乗り、彼女を襲った。犬は夫のもの、そしてこの事故は夫の奸計だった。キムは半死状態で病院にかつぎ込まれる。彼女の手には、あの魔よけをつけたキーホルダーがしっかりと握られていた。担当医マーティン(J・エリクスン)と看護婦キャシー(レスリー・パリッシュ)は、キムが「アカサ」という言葉を口にしてうなされるのが気になった。やがて、キムは意識をとり戻すが、記憶は失ってい、キャシーの家で静養することとなる。一方、マーティンは記憶の手がかりを探るために、彼女の握りしめていた魔よけを持ち、人類学者を訪れた。彼は、アカサという言葉から、魔よけをオカルト研究家マーク(キムの夫)にみせる事をすすめる。なぜなら、アカサとは、紀元前小アジアにいたヒッタイト族があがめ祭った復讐と破壊の神だからだ。早速、マーティンはマークを訪ね、魔よけを見せる。こうして、マークはまだキムが生きている事を知るのだが、その夜、あずかった魔よけをおいておいた車椅子に襲われる。ちょうどその頃、キムは目を真っ赤にして狂っていた。魔よけはあきらかにキムの念動力と関係あるのだ。翌日、マーティンが魔よけをマークより返してもらい、キムの元へ帰る間に、マークは、魔よけについて貴女の過去がわかったと、彼女を家に呼びよせる。そして、家のサウナ風呂に閉じこめ殺そうとする。その頃、警察ではキムの車がみつかり、マーティンは車に魔よけのついたキーホルダーをさしこんだ。突如、動き出す車。無人の車は、パトカー等の追跡をふりきり、猛スピードでマークの家に向かった。サウナの中で赤い目をしてうなるキム。車はマークの家にたどりつき、彼をおいつめ、ついに轢き殺してしまった。その直後、事態をさっしたマーティンは、マークの家にかけつけ、キムを救い出すのだった。
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