チャールズ・ファーレル
John_Merrick
「再生の港」「春ひらく(1930)」のチャールズ・ファーレルが主演する映画で、原作はリュウェリン・ヒューズの筆になったもの、それを「罪は若きにあり」「愉快な武士道」のウィリアム・コンセルマンが脚色し、「曠原の血煙」「大自然の王者」のアルフレッド・ワーカーが監督した。助演者はマッジ・エヴァンス、「罪は若きにあり」「摩天楼の悲劇」のハーディー・オルブライト、「夜霧の女」「街の令嬢」のポール・カヴァナー、ジョン・アーレッジ、クロード・キング、ジョン・セント・ポリス、アルバート・コンティなどで、カメラは「速成成金」「妾は貴方のものなのよ」のジョセフ・オーガストが担任。
ウィンナに於いて開かれたウァルデン伯の慈善会でアメリカ大使館の武官ジョン・メリックは伯爵とその妹ヴィルマに会った。伯爵とメリックの間は忽ち親密になって行き、妹ヴィルマとの間には恋さえ芽生えるようになった。ヴィルマに心をよせる伊太利の飛行将校ヴォルケ大尉は彼女とジョンの親しさを見て国王にざん訴し伯爵が敵を自邸に厚遇していると告げた。アメリカの戦争への参加はジョンと伯爵との間を引き放し、間もなく彼は戦線へ送られることになった。しかし出発する前ジョンは愛人ヴィルマの許を訪れてたとえ如何なることがあろうとも兄ウァルデンとは決して戦いを交えない、そして平和になった暁には彼女の許へ必ず帰って来ると誓った。ある日、米軍の飛行根拠地に襲来する一台の敵機があった。ジョンはそれが憎むべきウォルケの操縦機だったので直ちに迎撃してこれを射落した。だたし驚いたことには搭乗者はヴォルケでなくてウァルデンであった。伯爵はジョンが攻撃したことを知って憎悪の色を示した。それ以来、憂欝になったジョンは軍務に服することさえ避けるようになった。ついには一台の機に無断搭乗してヴィルマの許を訪れ己が過失を謝したが彼女の怒りは解けなかった。恋は失い、面目を失ったジョンは帰隊すると共に営倉生活を送らねばならなかったがさしもの大戦終息を告げると共にヴィルマの誤解も解け二人の恋は復活したのである。
John_Merrick
Countess_Velma_Walden
Count_Carl_Walden
Capt._Wolke
Jerry_Sommers
Count_Walden
U._S._Ambassador
Liaison Officer
[c]キネマ旬報社