こころ月の如く:映画作品情報・あらすじ・評価|MOVIE WALKER PRESS 映画
こころ月の如く
こころ月の如く
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こころ月の如く

1947年9月16日公開、83分
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東横映画第一回作品、プロデューサーはマキノ満男、脚本藤木弓は、監督稲垣浩のペンネームで、稲垣浩としては「おかぐら兄弟」「壮士劇場」に次ぐ作品、なお大映の「手をつなぐ子等(1948)」と併行でメガフォンをとる。撮影は吉本プロの「縁は異なもの」を撮った杉山公平が担当する。出演者には上原謙(松竹)、轟夕起子(M・S・C)、宮城千賀子(M・S・C)らに、松竹の斎藤達雄、小杉勇、瀧花久子らと、終戦後始めて映画に復帰する杉狂児が加わっている。

ストーリー

伯爵河野義明は病妻正子を沼津の別荘へ追いやって、妾のお蝶を家に入れた。滋子、義子の姉妹はお蝶を母と呼ぶように強要されたが、滋子はそれを聞き入れず実母を慕って家を出た。交番に保護された彼女は親戚の佐藤昶子爵に発見され伴われて佐藤の家に行った。不良華族佐藤は滋子を種に伯爵を脅迫して口止料をまき上げた。美しい滋子をめぐって佐藤の居候下田、戸島、大久保らの激しい欲望が渦を巻いた。佐藤は滋子に結婚を申し込むが、滋子は佐藤の生活に恐れを抱いて飛び出してしまう。佐藤はすぐ沼津の別荘に滋子を追ったが彼女は見当らず、病床の正子は佐藤に見守られつつ息を引きとった。一方悪興行師岡辰の手により旅芸人に身を落とした滋子は、同じような悲しい過去を持つ一座の若者新太郎と、互いに励まし合ううちいつしか愛情が芽生えた。滋子に逃げられたあとの佐藤は自分の行為を悔い、秘かにその行方を求めていたが、さる場末の寄席に出演中の彼女を発見し連れ戻そうとしたが、岡辰より一万円の身代金を要求され、仲間の居候連を集めて腕力で目的を遂げようとし、一座のものと大乱闘が起った。このどさくさにまぎれ滋子は新太郎と手をとって姿を消した。三筋の煙たなびく浅間山麓に、醜い人の世を逃れた滋子と新太郎は、老画家田原守貞に救われた。しかし新太郎が実は父河野伯爵の妾お蝶の子であることを知ったとき滋子は父がここにも深い罪悪を重ねていることを知って嘆き悲しんだ。新太郎もまた事情を知って一人秘かに去って行く。それから二十五年間滋子は田原の妻として、温い愛情の中に安らかな歳月を送った。八十余歳の高齢で世を去った田原の遺産、孤児の学園「雀の宿」を守って滋子は父母の愛に恵まれない孤児のために生涯を捧げることを誓うのだった。田原の告別式の一夜の佐藤と義子と滋子の波乱多い昔話は終った。知らぬ間に山麓の「雀の宿」にはもう平和な朝が来ていた。

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作品データ

製作年
1947年
製作国
日本
配給
東横
初公開日
1947年9月16日
上映時間
83分
製作会社
東横京都


[c]キネマ旬報社