君待てども
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君待てども

1949年3月1日公開、88分
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「青蛾」の久保光三が製作に当たり、「すいれん夫人とバラ娘」「月光城の盗賊」の池田忠雄がアレキサンドル・デュマ・フィス「椿姫」より脚本を書き「火の薔薇」の中村登が高見順原作の「炎とともに」を中止して監督に当たる。撮影は「風の中の牝鶏」の厚田雄春が担当する。「四人目の淑女」の月丘夢路と「新愛染かつら」の龍崎一郎が主演し「恋愛特急」の津島恵子「肖像」の井川邦子「鐘の鳴る丘 隆太の巻」の佐田啓二をはじめ、文学座の杉村春子や清水一郎、岡村文子らがそれぞれ助演する。

ストーリー

宮川真佐子は、歌姫の流星を誇るかのようにきょう慢で贅沢で、虚栄心が強いという、その記事を取ろうとして無造者の××雑誌記者中原浩二は親友伊藤の紹介で宮川真佐子に会う。パトロンらしい松下はいやな目で中原見下ろしていた。しかし中原はある一日「いい人間によってのみいい芸術は生れるもんですよ」といって、真佐子の本性を知るため、彼女と一緒に映画、遊園地、ボートに乗ることによってそのヴェールを一枚一枚はがしていった。急に彼等は愛し合う仲まで発展していった。真佐子にしてみれば、母のため家のために幸福を知り得なかった。しかし今は愛情の誠実の喜びを知って彼女自身、彼女の周囲から山奥に浩二と共に立ち去った。幸福な日は続いた。真佐子の友、光子は何くれと面倒を見てくれた。突然、浩二の母が彼の留守に尋ねて「浩二を帰してくれ」と真佐子に願った。愛人を奪われる切なさは、真佐子自身判断した、この母を救い、彼の許婚を救えると、去って行くことがすべてが解決するような気がする。それは真佐子は暗い過去をもつ女であり、歌声一つでどうにでもなるから--だが浩二は絶望と自堕落に狂ってしまった。面影をたどって恒子を見つけたが、彼の心はますます苦しむばかりである。浩二の母は遂に己の非を悟り真佐子に浩二を救ってくれと泣きながらすがった。真佐子は松下とすでに結婚している。クリスマスの晩である。中原のアパートを訪れた真佐子は「何もかもよく判って頂けるわ。私を昔のように……」彼女は泣きながら中原の愛の手に身を投げかけた。

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作品データ

製作年
1949年
製作国
日本
配給
松竹
初公開日
1949年3月1日
上映時間
88分
製作会社
松竹大船


[c]キネマ旬報社