最後に笑う男
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最後に笑う男

1949年2月28日公開、123分
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「二十一の指紋」の米田治の企画。「初夜ふたたび」「青春賭博」の柳川真一の脚本を、新人監督安田公義が「その夜の冒険」についで出演する。カメラは「三十三の足跡」の石本秀雄の担当。出演者は民芸の滝沢修の「ボス」につぐ映画出演。「男が血を見た時(1949)」の日高澄子「月よりの使者(1949)」の伊達三郎「三十三の足跡」の藤井貢「ボス」の杉狂児、加東大介で、新人二本柳寛、京マチ子の大映入社第一回出演である。なお歌手の菅原都々子とタカタマ・サーカス団が特出する。

ストーリー

秋山を団長とする東洋曲芸団では最近の興行不振の挽回を図ろうと、サーカス界の人気者空中ブランコ乗りの飛鳥兄弟の特別出演を計画した。サーカス団には団長秋山を始めとしてピエロの峰吉、可愛い由美、楽隊の良三等がいた。やがて飛鳥次郎は妻のみどりと弟の三郎を連れて東京からやって来たが、峰吉は何か彼等の応援を快く思わなかった。飛鳥兄弟の妙技に観客席は大入満員で団員達の祝宴が開かれた。だが峰吉はその祝宴にも姿を見せなかった。何かあったのではないのかと由美は峰吉のことが心配でたまらなかった。由美は峰吉が好きなのだ。飛鳥兄弟の所へ広瀬という与太者が現れて契約金のことで三郎と口論し、三郎は広瀬に傷つけられた。売り物のブランココンビの一人である三郎の怪我で困惑した秋山は一座の義雄を代役に立たせようとしたが、救命綱つきにブランコ乗りは人気にかかわると次郎は義雄との相手を断った。いよいよもって困りきった秋山の耳へ峰吉が一昔前海燕のミユーというブランコ乗りの人気者だったことが伝わった。峰吉は失恋の痛手を負って今はうらぶれた道化役の日々を過ごしているので、その失恋の相手こそ次郎の妻となっているみどりであった。みどりも自分の師匠である峰吉とのかいごうに驚いた。秋山は峰吉へ出演を口説いたが、峰吉は承諾しなかった。由美は峰吉を立派な名人といわれる男にかえしたいと次郎に頼みに出掛けた。由美の心を知った峰吉は次郎と腕くらべをしてやろうと勇気がわいた。峰吉とみどりの過去のことを知った次郎は峰吉への憎しみがわいて来た。いよいよ峰吉、次郎、みどりコンビの空中サーカスの日が来た。空中での曲芸中、次郎は峰吉を殺そうと故意に失策をしたが、昔取った杵柄で峰吉は難を逃れた。又峰吉の頭の中は恋人を奪った男への復讐心で一杯であった。不吉な予感にみどりは夫に代わって空中に飛んだ。峰吉は柔らかい女の手を感じた。峰吉の心も次郎の心も平静な心にかえっていた。

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作品データ

製作年
1949年
製作国
日本
配給
大映
初公開日
1949年2月28日
上映時間
123分
製作会社
大映京都


[c]キネマ旬報社