監督、脚本
歌舞伎における後見の役割の記録映画。脚本・監督は藤原智子。監修・指導は中村又五郎。92年度キネマ旬報文化映画ベスト・テン第2位。(16ミリ)
ストーリー
映画はまず、若手の青年歌舞伎の稽古と公演の模様から始まる。演目は「菅原伝授手習鑑」「双面水照月」「解脱」。稽古場では、座る役者に合引をあてるタイミングや、小道具の受け渡し、衣裳の引き抜きなど後見の仕事が舞台後方からのカメラに記録される。後見は、19世紀初頭に出版された「戯場訓蒙図彙」の中に黒衣姿で描かれている。またそのスタイルは西欧の近代劇にも影響を与えている。後見の役割は芝居によって様々である。黒衣が亡霊の声の役を受け持ったり(「双面」)、黒衣でなく着付後見の姿で務めたり(「解脱」)もする。さらに後見のヴェテラン、市川升寿さんが仕事の苦労を語る。