渡辺文樹
善一の担任、渡辺
1976年、福島県で実際に起こった少年の自殺事件をモチーフに、事件の裏に隠された真実の追求に迫るドキュメント・タッチの作品。監督は「島国根性」の渡辺文樹で、製作、脚本、撮影、編集、そして主演も兼ねている。
東北の農村で、ある日中学3年生の野崎善一(秋山誠)が首を吊って自殺するという事件が発生した。学内盗難の容疑者として度重なる追求を苦にしての自殺だった。早速マスコミがこの事件に飛びついたことで、騒ぎはどんどん大きくなっていく。少年の複雑な家族環境、校内体罰の問題、盗難の真犯人らしき人物の出現、そして少年自殺説に対する疑惑--。善一の担任の渡辺(渡辺文樹)は、体罰教師という立場で事件の渦中にありながら、善一の残したメモを手がかりに自力で盗難の真犯人を探し出し、そして自殺事件の真実に迫るため、少年の墓を掘り起こすのだった……。
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