名取裕子
洋子(おれん、春、吉乃)
真言宗の総本山として知られる高野山を舞台に、美術史家の女が煩悩に身を委ねた一人の僧の生きざまを追っていくというもの。監督は村野鐡太郎。井上靖の原作をもとに高山由紀子が脚本を執筆した。村野と高山のコンビは「月山」「遠野物語」「国東物語」などを含め、これで六本めとなっている。
美術史家の秋月洋子は『女人禁制と女犯』をテーマにした論文を書くために高野山に来ていた。図書館に立ち寄った彼女は偶然にも、女犯の戒に触れて高野山を追放されたとされる僧、澄賢のことが書かれている資料を見つけた。“煩悩即菩薩”と言われた澄賢の姿に愛染明王の姿を重ね、惹かれていく洋子。澄賢の書いた『理趣経』を探し求めるが、五十年間一度も罪を犯すことがなかったと言われる僧、照栄の邪魔によって見つけ出すことが出来ずにいた。ある日、洋子は再び訪れた高野山で、澄賢、照栄の二人と時空を越えて出会った。長い年月を経て、許し合うことのできた二人の僧、それを見つめる洋子。澄賢と洋子は再び会う約束をして別れた。その後、図書館を訪ねた洋子は、ついに探し求めていた『理趣経』を見つけるのだった。
監督、製作
脚本、製作
原作
製作
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
プロデューサー
音楽プロデューサー
スチール
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