クララ・シンタ
バウー
日本、インドネシア、フィリピン、タイ四か国による、アジアの今をテーマに描くオムニバス映画。アセアン(東南アジア諸国連合)二十五周年を記念して開催された『東南アジア祭92』のためにアセアン諸国と日本が初めて共同制作したもので、四つの国の、それぞれ異なる世代の主人公を通して今のアジアの姿が浮かびあがる。インドネシア篇は「マイ・スカイ、マイ・ホーム」のスラメット・ラハルジョ・ジャロット、フィリピン篇は「マニラ・光る爪」のマイク・デ・レオン、タイ篇は「アナザーワールド」のチュート・ソンスイ、日本篇はオムニバス「ボクが病気になった理由」第一話「マイ・スウィート・キャンサー」の鴻上尚史がそれぞれ監督。
「ミラージュ〈蜃気楼〉」東ジャワのバワク山のふもとの貧しい村の娘バウーは、長年の夢が叶いジャカルタに働きにいくことになった。だが車中で荷物と全財産を盗まれてしまう。失意にくれる彼女を駅の売店の女主人たちが慰めてくれるが、一方で田舎に帰った方がいいと諭す。活気にあふれる都会で、バワーが思い浮かべるのは懐かしい故郷や家族の姿であった……。 「アリワン・パラダイス〈娯楽の天国〉」飽くことなくエンターテインメントを追い求めるフィリピン国民の要望に応え、娯楽省はタレント探しの大オーディションを実施、その会場で同じ村から出てきたフーリオとリガヤが再会した。二人は懸命に踊りや芝居を披露するが、娯楽省はてんで相手にしない。フーリオは涙ながらに自分たちの境遇の哀れさを訴えるが、それが何と新しい娯楽だと気に入られ、二人は貧乏生活を演じる仕事を無事手に入れるのだった。 「生命の樹」バンコク市街にビルを持つタナチャイは一代で成功した人物だが、資金操りに失敗、経営に行き詰まった彼はふと故郷の村に向かい、会社のマークにもした巨大なバンヤンの樹を訪ねる。そこで出会ったバントンという少年に笑顔に大切さを教えられ、一日をともにするうち、彼はまた元気になって都会に戻っていく。 「トウキョウ・ゲーム」会社を定年退職してゲームセンターに入りびたっている花坂勝治は、新しいゲームのモニターに誘われた。それはどんなことでも夢を実現させてくれるもので、花坂はそのリアルなゲームの中でもう一度新入社員になった。バリバリの会社人間として張り切る花坂だが、周囲の同僚は冷たい視線を投げかけ、彼と結婚するプログラムになっているはずの雪江でさえ、『一緒にはなれない』と言う……その時、ゲームは終了し、花坂は現実に戻ってしまった。
バウー
三つの顔を持つ男
バウーの母
チントレム
ジャンブル
興行主
フーリオ・マジャガ
リガヤ・パライソ
タナチャイ
ジャード
バントン
花坂勝治
花坂雪江
津村雪江
村木正信
橋本
監督
監督、製作
監督
監督、脚本
脚本、製作
脚本
脚本、原案
脚本
原案
原案
原案
原案
原案
製作
製作
製作
製作
音楽
音楽
音楽
音楽
美術
美術
美術
美術
編集
編集
編集
編集
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録音
統括サウンド・ディレクター
助監督
総合プロデューサー
企画
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