村山健太
渋谷
友人を捨てた男にその理由を問う女。二人の会話を中心に人間関係について考えさせる短編。監督はロサンジェルスのLACCで映画製作を学び、ベルイマンやロメールを目標にして本作品を撮りあげたと語る千葉誠治。16ミリ。
親戚の墓参りに来ていた渋谷の前に、突然見も知らぬ女が現れた。彼女は渋谷が数年前につきあっていた女性・ミノリの友人で、何故彼がミノリと別れてまで海外へ留学しなくてはならなかったのか、理由を聞きに来たのだと言う。だが、それはミノリの差し金ではなく、ミノリはすでに他の男性とうまくやっており、女はただ本当の理由が知りたいだけなのだと語った。そんな彼女の質問に最初は言葉を濁していた渋谷だったが、やがてミノリとの擦れ違いの愛を語り始める。数日後、女によって寺へ呼び出された渋谷は、お互いにひかれあっている気持ちに気づくのだった。
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