押谷芽衣
野沢ひろみ(声)
多感な少女と、彼女が飼っている喋る犬との触れ合いを通して、愛について描いたファンタジー・アニメーション。原作は元“TMN”の木根尚登の同名小説で、今回の映画化にあたって木根が音楽と声優も担当している。監督は「きんぎょ注意報!」の佐藤順一。
小学校六年生の野沢ひろみはごく普通の女の子。しかし、彼女は飼っているシュナイツァー犬・ユンカースが人間の言葉を喋るという秘密を持っていた。ひろみの家には仕事で滅多に顔を合わすことのない両親のほかに、ひろみの家庭教師で医大生の圭介が下宿していた。圭介はひろみの初恋の人だったが、ふとしたことから圭介に恋人がいるらしいことがわかる。ユンカースとともに圭介の身辺調査を開始したひろみは、圭介本人の口からフィアンセがいることを聞かされた。ショックを受けたひろみを慰めてくれたのは、ユンカースだった。ひろみの誕生日、フランスから帰国した父・新太郎と食事をしたひろみは、母・鈴子が来てくれなかったことに少しガッカリしたが、それでも久しぶりの父との再会に心休まる思いをしていた。ところがその夜、両親が離婚をほのめかす会話をしているのを立ち聞きしてしまったひろみは、失意のどん底へたたきつけられる。ひとり泣くひろみに、ユンカースは「僕は奇跡を三つだけおこすことができるんだ」と囁いた。半信半疑のひろみは冗談まじりに、圭介と恋人・洋子の破局を願う。翌日、圭介が電話口で口論しているのを目撃したひろみは、昨夜のことを想い出してゾッとする。ひろみは後悔からクリスマス・パーティを計画して、二人を仲直りさせようとするのだった。しかし、準備は整っているのに、洋子はなかなかやって来ない。心配したひろみが駅まで迎えに行くと、ちょうど洋子がタクシーに乗って帰りかけているところであった。タクシーを追いかけて懸命に雪の中を走るひろみは、タクシーが止まってくれることを強く願った。するとタクシーは停車し、洋子がこちらへ向かって戻って来るのだった。それが、ユンカースの起こした2つ目の奇跡だった。ひろみは圭介と洋子が仲直りしたことにホッと胸を撫で下ろす。しかし、その喜びに浸る間もなく、ひろみは両親から正式離婚の決定を聞かされた。絶望のひろみは親子三人で最後に行った旅行の写真を見ながら、もう一度この海へ行ってみたいなと願うのだった。すると、突然ひろみの体は光に包まれ、「さあ、行こう」と言うユンカースに導かれながら、いつしか写真の海へと到着していた。そこには父と母の姿もあり、懐かしい思いに昔の心を取り戻した三人は、いつまでもきつく抱き合うのだった。こうして両親の離婚は回避され、中学生になったひろみは再び元の生活に戻っていった。ひとつだけ前と違っていたのは、ユンカースがもう人間の言葉を話さなくなっていたことだった。
野沢ひろみ(声)
ユンカース(声)
野沢鈴子(声)
木村圭介(声)
井上洋子(声)
野沢新太郎(声)
森田文江(声)
弘(声)
原田千恵(声)
緑のおばさん(声)
写真屋(声)
ウェイター(声)
乗客(声)
孝(声)
厚(声)
和子(声)
赤ちゃん(声)
監督
原作、音楽、歌
作画監督、キャラクター・デザイン
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プロデューサー
プロデューサー
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