船田朝子
すさみ
どこかで見たような風景を羅列させ、観客に自分の中の“遥かな記憶”と映像から受けるイメージを接触させようとする、感覚的映像体験自主映画。監督は高橋玄監督の「心臓抜き」などの助監督を経て、本作品でデビューを果たした鈴木亮。撮影は「嵐の季節」の石倉隆二。16ミリ。
ふたりの男が映画の始まりを告げる。緑が生い茂る森の中で、女の子が一服の茶を勧める。次に、カメラは稲刈りのおじさんや街角の祠を詣で回る宮司さん、元宇宙飛行士のドイツ人らの姿をとらえ、続いて少女すさみの後を追って行く。すさみは、街や森、川辺を徘徊し、様々な人たちや風景に出会う。新世界の酔っ払いおじさん、森の中の画家、引っ越し最中の一家、そして披露宴最中の新郎新婦。彷徨を続けるすさみは、やがてすすきをかきわけかきわけ、夕陽に映えるすすき野の丘に出ると、いつまでもそこに静かに佇んだ。
すさみ
なち
どろ
くす
ドイツ人
森の画家
森のマジシャン
なちの恋人
なちの恋人
マー君
稲刈りおじさん
老人たち
ふらふらおじさん
新郎
新婦
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