松岡俊介
森川中正
かつて黒澤明監督によって「羅生門」として映画化された芥川龍之介の短編『籔の中』を、新解釈でリメイクしたエロティック時代劇。監督はピンク映画で活躍を続ける“ピンク四天王”のひとり、佐藤寿保で、本作が初の一般映画となる。脚本は95年に新人シナリオ・コンクールで入選し、これがデビュー作となった名取高史。撮影は「ファザーファッカー」の芹澤明子。主演は「BeRLiN」の松岡俊介と、「Morocco 横浜愚連隊物語」の坂上香織。「羅生門」では三船敏郎が演じた盗賊・多襄丸には、「7月7日、晴れ」の高杉亘がふんしている。共演はほかに、テレビ・ドラマで活躍中の細川茂樹、「卍舞III」の白石ひとみ、「鉄男II/BODY HAMMER」のジーコ内山ら。R指定。
平安時代、とある山中の籔の中で、旅の途中の若い武士・金沢武弘とその妻・真砂が、多襄丸という盗賊に襲われた。多襄丸は武弘を木に縛り付け、その眼前で真砂を犯す。行為の後、真砂は凌辱された一部始終を武弘に見られたことに堪えられず、武弘を殺してくれと多襄丸に叫んだ。多襄丸はためらいながらも無我夢中で武弘を殺した。その後、多襄丸は真砂の兄で検非違使の森川中正に捕まって打ち首にされ、真砂は人知れず湖に身を投げたという。しかし、事件のあらましを納得できずにいた中正は、事件現場の籔の中へ入っていき、目撃者の木こりと会った。木こりから森の奥にいる巫女のお堂へと案内された中正は、怪しげな巫女の力で怪異な妄想の世界へ入っていく。森の中をさまよう中正は、背後からいきなり多襄丸に斬りつけられた。多襄丸は真砂から手を引けと中正に迫る。気がつくと中正は、事件当時の籔の中にいた。多襄丸に襲われ激しく抵抗している真砂の眼は、中正に必死で救いを求めていたが、木に縛られた武弘の身と重なった中正には、真砂を助ける術はなかった。そして、いつの間にか中正は、お堂の中で巫女が姿を変えた魔物に襲われていた。魔物が中正に喰らいつこうとした瞬間、武弘が現れて中正を助ける。しかし、武弘は真砂と中正の兄妹以上の愛情と絆を怪しみ、妬み、中正を問いつめた。中正は真砂の姿と事件の真相を求めてさまよい続けたが、お堂の前で木こりに斬りつけられ、反撃もむなしく息絶える。そして真砂と中正は、あの世で再会するのだった。
監督
脚本
原作
製作総指揮
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CG
CG
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助監督
企画
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プロデューサー
プロデューサー
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