小林桂樹
木下秀吉
主人公秀吉君が東京に帰ってセールスマンとして奮闘する「サラリーマン出世太閤記」の第三篇。脚本は「大番 (完結篇)」の笠原良三、監督は「重役の椅子」の筧正典、撮影も「重役の椅子」の鈴木斌。小林桂樹・加東大介・安西郷子・白川由美・宝田明・団令子らの前作の顔ぶれに、扇千景・佐原健二が加わり、それに雪村いづみの妹朝比奈愛子が初出演する。パースペクタ立体音響。
日本自動車岐阜工場に勤務する木下秀吉は、「本社に出頭せよ」という命令を受けた。本社勤務に胸をときめかせた秀吉は、城西地区営業所のセールスマンを命じられガッカリのてい。セールスマン一年生の秀吉は、商売敵のセールスマン今川好子ににらまれたり同僚の福井におどかされたりしてこのところ御難つづき。しかし、秀吉はへコたれない。恋人で会社のタイピストの千枝子にもあわずに、セールスの勉強に一生懸命。その頃、秀吉に夢中のパチクリ軒のエイ子が、友達のブルジョア娘未知子を紹介した。いい買主とばかり張切ったが、サンプルカーにのって、彼女の無免許運転や、色目のモーションのあげく、とうとう運転免許はとりあげられ、彼女の運転教授をおおせつかってしまった。がっかりの秀吉に浜町の料亭から呼出しがかかった。そこには好子がいて、東亜観光の取引から手をひけといわれた。リベートでつろうとする好子に、秀吉はフェアプレーでいこうと席をけった。その夜、寮には母親のマサが来ていた。それは、エイ子のために父親の為助が、親孝行の奥の手を使って、秀吉をくどこうと呼びよせたのだ。そうとも知らぬ秀吉は、喜んで千枝子を紹介するために本社にいった。ところが千枝子は、父の部下の橘と結婚するために、辞表を出しに来たところだった。失恋のヤケ酒に酔った秀吉はまたまた仕事で失敗し、売上げ金八十万円をとりそこなった。辞表を出そうと思ったが、エイ子に気合を入れられて心機一転して出社した。名誉挽回、契約獲得のため東亜観光の社長毛利に直談判をした。色仕掛の好子をどうやらしりぞけたが、取引は社長対社長ということになった。秀吉は左右田社長をよんで来た。そこで毛利の気合術、左右田の相撲で勝負を決めることになった。形勢利あらず、左右田の旗色が悪く、そこで秀吉が応援に出た。奇妙な二人の怒鳴り合いがつづき、最後の一声で、遂に毛利は倒れた。取引は大成功、その結果秀吉は見事本社宣伝係長に栄転することが出来た。故郷に帰る母を送る秀吉の顔は、晴々と輝いていた。
木下秀吉
木下マサ(秀吉の母)
左右田一(日本自動車社長)
左右田悦子(左右田の姪)
左右田茂子(左右田夫人)
西川千枝子(タイピスト)
山中エイ子(食堂の娘)
山中為助(エイ子の父)
前田圭一郎(社長秘書)
橘(千枝子の婚約者)
長谷川(総務部長)
岡田(営業所長)
福井(同僚セールスマン)
丹羽(同僚セールスマン)
今川好子(女セールスマン)
毛利(東亜観光社長)
毛利未知子(毛利の娘)
千三不動産主人
女事務員(営業所)
ラジオ屋のおかみ
次郎(ラジオ屋の子供)
ロカビリーの歌手
監督
脚本
製作
撮影
音楽
美術
編集
照明
録音
助監督
製作担当者
スチール
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