小林旭
清水次郎
松浦健郎の原作を、原作者自身と今村文人が共同で脚色し、「波涛を越える渡り鳥」の斎藤武市が監督した喜劇調のアクションもの。撮影も「波涛を越える渡り鳥」の高村倉太郎。
東京は銀座--ここのズベ公グループ、ピンク・アパッチ団の春子、夏子、秋子、冬子が得意のタンカを切っていた。にやけたイカサマ青年がおタマ婆さんを誘拐したというのだ。週刊「あなた自身」に写真を売り込み中の松の湯の娘秀子がさかんにシャッターをきった。そこへ一本槍鬼左衛門の車が突込んできた。春子たちは一本槍につめよった。秀子はレストランを経営する次郎に知らせた。次郎は春子たちを店に呼んでその場をおさめた。秀子のせっかくの写真を金井編集長はとりあわなかった。翌朝、湘南電車に秀子と次郎が乗りあわせた。二人の行先は茅ケ崎で、元総理大臣一本槍邸。秀子は写真を持って、次郎は春子たちの更生を頼みに行くのが目的だった。一本槍は写真のおタマ婆さんをみて驚いた。彼は次郎を呼んで、昔の恋人おタマ婆さんを内密に探してくれと頼んだ。開発会社の出羽亀三が松の湯を買占めようとやってきた。次郎のレストランには山形虎三という男が現われた。次郎が二人とも追いかえした。両方とも暴力団体コンゴ会の身内だ。その夜、次郎はおタマ婆さんをみつけ一本槍に知らせた。婆さんこと井手タマ子は四十年前、一本槍青年との恋を裂かれ、悲嘆にくれた彼女は金持になりたいとブラジルに渡った。今はコンゴ会を使って銀座の土地買占めをしていた。次郎はお春をタマ子の秘書にしようとした。お春の母お時は彼女を生むと死に、温泉宿の三助・金助に育てられた。お時は一本槍とタマ子の間に出来た子供だという。タマ子はこれを聞いて気絶した。虎三と亀三は顔を見合せてうなずきあった。次郎は一本槍に春子が孫だと告げた。コンゴ会は遺産相続の書類をタマ子から奪った。次郎はコンゴ会に乗りこんで、書類はニセ物だといった。ピンク・アパッチ団の応援で、次郎はコンゴ会をなぎ倒した。一本槍もかけつけた。翌日、タマ子は買占めをやめて、デパートを建てることにした。次郎と秀子は肩を組みあって銀座をかっ歩した。
清水次郎
松田秀子
千吉
一本槍鬼左衛門
秘書道子
リラ子
おタマ(井手タマ子)
春子
夏子
秋子
冬子
長五郎
チヨ
ツル
出羽亀三
山形虎三
秋田鹿三
黒岩会長
白坂総長
金井編集長
編集員A
岩田金助
警察署主任
警察署看守係
巡査民尾守
(大正時代)カフェ・ライオン支配人
(大正時代)一本槍の運転手
吊し上げられる若い男
Aホテル・案内係
Aホテル・司厨長
Aホテル・ボーイ
オッパイ小僧
温泉町の医者
温泉町の看護婦
オート三輪の運転手
東京中央銀行係長
大銀座土地開発・調査員一(コンゴ会)