メス(1974)
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メス(1974)

1974年10月12日公開、91分、サスペンス・ミステリー
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“白い巨塔”とタブー視されている医学内を舞台に、誤診という名の殺人、患者不在の権力争いを描いたサスペンス映画。原作は柿沼宏・作、松森正・画の同名劇画。脚本は「街の灯」の森崎東、と桃井章、監督は脚本も執筆している「流れの譜 第一部動乱 第二部夜明け」の貞永方久、撮影は「影の爪」の加藤正幸が担当。

ストーリー

式根修三は、帝王切開により母の死と引換えに生まれた。父である菊川志郎は、小さな町医院の一人娘中川妙子と結婚することになっていたため、妊娠中毒症だと偽って帝王切開を強行、殺したのだった。それから三十四年の歳月が流れた。式根は葛城病院の優秀な外科医になり、菊川は新日本医学連盟理事長に出世、医科大学設立を強行しようとしていた。ある日、この医大設立に反対する大協薬品の太田社長が肺ガンの為入院した。だが式根は、手術は危険であると反対したが、院長の葛城は手術を強行した。社長は死んだ。菊川が裏で暗躍していたのだ。数日後、十七歳の少女光本みどりの手術に関して式根と同僚の坂本医師が対立した。式根はみどりが妊娠経験者がもつ絨毛上皮腫があるから手術は無理だと主張したが、みどりの婚約者でもある坂本は、みどりの純潔を信じて手術を行った。みどりは死んだ。式根の言う通り、彼女は不良学生に暴行され妊娠の経験があった。ある日、菊川が僧帽弁閉鎖不全症の手術のため入院して来た。菊川は担当弁護士山崎を通して、執刀者に式根を指名した。式根とは学生時代からの友人でもある山崎は、新設医大の理事長の椅子を狙っており、秘かに菊川の悪事の証拠を固めていた。ある日、看護婦の青木由美は、式根を精神病院の菊川友愛病院へ案内した。由美の父は酒好きだったが、ある日酔って喧嘩したために警察にアル中として逮捕され、菊川病院に強制入院させられて、三ヵ月後に生体実験で殺されてしまったのだった。そのショックで母は自殺。由美は復讐を誓って看護婦になり、菊川の情婦となって機会を狙っていた。由美の弟武志はぐれて、看護婦の佐藤と同棲、光本みどりの妊娠を知って彼女を強請っていた。しかし、その武志も、つい先日佐藤と心中をした。やがて、菊川の手術は大成功だった。菊川は式根に礼を言った。だがその夜、菊川は死んだ。犯人は由美ではないかと疑った式根だが、由美は否定した。翌日、菊川病院で山崎は十五年前に行われた生体解剖のフィルムの映写を行った。執刀者は、式根の恩師である小久保教授、葛城院長、菊川たちであった。菊川はこのフィルムで小久保を強請り、今日の地位を得たのだ。菊川を殺害したのは、小久保に命じられた葛城だった……。数週間後、式根は、小久保、葛城らを告訴した……。

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作品データ

製作年
1974年
製作国
日本
配給
松竹
初公開日
1974年10月12日
上映時間
91分
製作会社
松竹映画
ジャンル
サスペンス・ミステリー


[c]キネマ旬報社