ガク
ガク
外国ではひとつのジャンルとして確立している短編映画を、その素地のない日本で製作しようという試みの下、作られた短編映画集。アニメーション、ファンタジー、ホラーのタイプの異なる3作品が収められ、これが監督デビューとなるグラフィックデザイナーの太田和彦、「怖がる人々」の和田誠、「白い馬」の椎名誠が、それぞれ監督にあたっている。スイカを買いに行った少年の1日をつづった“ワニメーション”の第1話「スイカを買った」(モノクロ・11分)は、台詞は一切なく、字幕と効果音だけで構成されたユニークなアニメーション。第2話「ガクの絵本」(カラー・29分)は、山間の川をカヌーで下るひとりの男と1匹の犬のある日の出来事を描いたファンタジー、第3話「遠灘鮫腹海岸(とおのなださめはらかいがん)」(カラー・29分)は、浜辺の砂に沈んでしまった男の不思議な体験を描くホラーで、それぞれ「ガクの冒険」の雑種犬・ガクとエッセイストの野田知佑、「ガクの冒険」の林政明が主演をつとめた。
「スイカを買った」夏休みの昼下がり、小学生のワニ眼くんは町で糖度のたかいスイカを買った。その帰り道、彼はいろんな人とすれ違う。だがみんなウトウト、ウトウト。犬も木陰でウトウト、ウトウト。汽車に乗って海辺の村へ帰ったワニ眼くんは、その夜、縁側で糖度の高いスイカを食べた。空には満天の星空が広がる。 「ガクの絵本」ガクの絵本を開くと、そこには山間の川が広がった。カヌーで川を下っていたとうちゃんとガクは、川岸でテントを張る。食事を済ませ、1日の疲れを癒そうと眠りについたガクは、花畑を走り回って少年時代の自分と出会う夢を見た。ところが突然、人の足音がしてガクは起こされる。足音の主の村の女はとうちゃんを連れてどこかへ行ってしまった。残されたガクは、再び夢を見る。しかし、今度の夢は、注射をしようとする女医と首輪をはめようとする検疫官、そして仮面の男たちが、ガクを捕まえようと次々に彼を追い回す怖い夢だった。さらに、とうちゃんまでもが悪魔にカヌーを漕がせた村の女に襲われそうになる。翌朝、とうちゃんが帰ってきた。村の女の人が飼っている子ブタが川で溺れたのを助けに行っていたらしい。再び、ガクととうちゃんはカヌーに乗って川下りの旅に出た。 「遠灘鮫腹海岸」気ままなキャンプ暮らしをしているひとりの男が、砂浜でワゴン車のタイヤを取られ、立ち往生してしまった。なんとか抜けだそうと策を練るが、とうとう車ごと砂の中へ深く埋まってしまう。地上へ出るには人の助けが必要だったが、周りに人はいないらしく、男がどんなに声を出しても助けはこなかった。とりあえずメシでも喰おうと、男はキャンプ用のコンロでチャーハンを作ることにするが、やがて、どこからか村人たちが集まってくる。村人たちは穴の上に丸太で櫓を組むと、大きな桶を下ろし、その中へ砂を入れろと男に指示を出してきた。男は助けてもらうために言われた通りにするが、陽も暮れかけた頃、村人たちは男を働かせるだけ働かせてさっさと帰ってしまう。残された男は仕方なく穴の中で夜を明かすが、実は男の穴の周りには同じ様な穴と櫓が幾つもあった。
ガク
とうちゃん
ガク(少年時代)
村の女
女医
検疫官
仮面の男
村の犬
村の子供達
村の子供達
或る男
靴職人
村人達
村人達
村人達
村人達
村人達
村人達
村人達
或る女
ガクの声
ガク(少年時代)の声
監督、脚本
監督、脚本
監督、脚本、原作、原案、企画
脚本、助監督
原作
原作
原案、撮影
演出
作画監督
製作
製作
撮影
撮影監督
音楽
音楽
音楽
美術
編集
編集
照明
録音
効果
音響効果
録音演出
助監督
プロデューサー
プロデューサー
プロデューサー
プロデューサー
プロデューサー
プロデューサー
色彩計測
スチール
記録