伊藤淳史
環見晴
小学校最後の夏休み、送電線の鉄塔に発見したプレートの番号をたどる冒険に出かけた少年の成長を描いたノスタルジックなドラマ。監督は「東京の休日(1991)」の長尾直樹。第6回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した銀林みのるの同名小説を、長尾自身が脚色。撮影監督を「香港大夜総会 タッチ&マギー」の渡部眞が担当している。スーパー16ミリからのブローアップ。
東京・保谷市、2学期から、父と別居する母の実家がある長崎の学校へ通うことになっている小学校6年生の見晴は、東京での最後の夏休みをひとりで過ごしていた。ある日、見晴は近所にそびえ立つ送電線の鉄塔に“武蔵野線71”というプレートがついているのに気づく。幼い頃、父親に連れられて見に行った鉄塔に秘められたパワーがあると信じていた彼は、この発見に色めき立ち、2歳年下の友人・暁を誘って冒険に出かけることにした。ふたりは鉄塔の番号を逆にたどって一基ずつ踏破しながら、その真下にビールの王冠を埋めていく。しかし、やがて暁の自転車がパンクしてしまい、だんだん日も暮れてきて、ふたりは心細くなっていった。23号鉄塔に到着したところで、ふたりの前に大きな河川敷が立ちはだかる。それを見た暁は、冒険を断念して家に帰ってしまった。残された見晴はひとりになっても1号鉄塔を見てやろうと、親に嘘をついて野宿する。翌日、見晴は再び冒険へと出発するが、4号鉄塔の手前で鉄塔パトロール巡視員に捕まってしまった。こうして見晴の冒険は目的を達成できないまま終わり、小学校最後の夏休みも終わる。1年後、中学生になった見晴に父親の訃報が届いた。葬儀のために上京した彼は、供養もそこそこに冒険の続きを再開する。ところが、1号鉄塔は変電所の敷地内にあって、その下に行くことはできなかった。がっかりしながらラーメン屋に立ち寄った見晴は、そこで変電所に出入りしている造園業者に会い、チャンスとばかり午後の作業に出る彼らのトラックにこっそり忍び込む。
監督、脚本、製作、編集
原作
製作
製作、プロデューサー
製作
撮影監督
音楽、主題歌
音楽
美術
衣裳、演出補
衣裳
録音
録音
助監督
プロデューサー
音楽プロデューサー
整音
スチール
制作
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