東京夜曲
東京夜曲
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東京夜曲

1997年6月21日公開、87分
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東京の片隅にある商店街を舞台に、そこに暮らす人々の心模様を描いた人間ドラマ。監督は「トキワ荘の青春」の市川準。脚本は「正門前行」の佐藤信介。撮影に「トキワ荘の青春」の小林達比古があたっている。主演は「瀬戸内ムーンライト・セレナーデ」の長塚京三と「スワロウテイル」の桃井かおり。「うなぎ」の倍賞美津子、NHK『大地の子』などで注目を集めた映画初出演の上川隆也が共演している。97年、モントリオール国際映画祭コンペティション部門正式上映作品で、市川準が同映画祭の監督賞を受賞した。97年度キネマ旬報ベスト・テン第4位。桃井が主演女優賞、倍賞が助演女優賞を揃って受賞した。

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ストーリー

東京の下町にある上宿商店街に、数年前、家族を残して家を飛び出していたきりの浜中康一が帰ってきた。妻の久子は何事もなかったように夫を迎えるが、地元住民のたまり場である“喫茶大沢”では、そんな浜中の噂話に花が咲く。どうも浜中はまっとうな仕事に就いていなかったようだ。久子を秘かに慕っている作家志望の青年・朝倉は、そんな話を聞くうち浜中に反感を感じ、浜中と久子の過去を探り始める。そして朝倉は、喫茶大沢を経営しているたみと浜中が、かつて恋仲であったことを知った。さらに、たみが彼女に熱烈な想いを寄せていた大沢と結婚してしまって、その大沢が病死したころに浜中が街を出ていったこともわかる。喫茶大沢の向かいには、浜中の父親が経営する“浜中電気”があり、帰ってからぶらぶらしていた浜中は、父親に借金があることを知って、浜中電気で働き始めた。まるで商売っ気のない店の様子を見た浜中は、家電屋をやめてゲームソフト専門店を始める。この新しい商売は繁盛し、商店街に新風を巻き起こした。やがて、浜中の店の従業員・野村と、喫茶大沢のアルバイトの中国人・ニンが結婚することになる。喫茶大沢でそのお祝いパーティーを開いた夜、野村とつきあいのあったレコード屋の娘が野村やニンの姿を見つめる様子を目にした朝倉は、ひとつの推論に思い至った。浜中とたみが恋仲にあって、大沢がたみに想いを寄せていた当時、久子は大沢のことが好きだったのではないか。朝倉はパーティーからの帰り道、募る彼女への想いに任せて久子に真実を追求するが、彼ら4人には複雑な大人の恋愛模様があることを逆に思い知らされ、彼女への気持ちを断念する。一方、客の退けた喫茶大沢では、たみが両親の住む岡山へ引っ越しすることを浜中に告げ、ふたりはどちらからともなく、引き寄せられるように肌を重ねてしまった。時は流れて夏になり、朝倉の本が出版されることが決まって、これを機に彼は街を出ていく。同じ日、浜中の家には、岡山に去ったたみから桃が届いていた。

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作品データ

製作年
1997年
製作国
日本
配給
松竹=松竹富士
初公開日
1997年6月21日
上映時間
87分
製作会社
衛星劇場(製作協力*近代映画協会/企画協力*コミーインターナショナル)


[c]キネマ旬報社