20年代、混乱の中華民国時代、とある名家をめぐる男女の退廃的な恋愛模様を、エキゾチシズムあるれる壮麗なスケールで描くメロドラマ。監督は「さらば、わが愛/覇王別姫」のチェン・カイコーで、製作も同作で組んだシー・フンとトン・チュンニェン。カイコーとワン・アンイーの原案をもとに、「ソウル」などの作品で知られる香港の映画作家シュウ・ケイが脚本を執筆。撮影は「楽園の瑕」の名手クリストファー・ドイル。音楽は「黄色い大地」「秋菊の物語」のチャオ・イーピン。20年代の租界時代の上海を再現する大セットを建築した美術はホァン・チァグイが担当。出演は「さらば、わが愛/覇王別姫」のレスリー・チャンとコン・リー、ディヴィッド・ウーほか。
ストーリー
1911年。辛亥革命で清王朝は崩壊。だが富豪のパン家では主人一族が阿片に浸り、麻雀を楽しむ生活が続いた。当主の嫡子正達(チョウ・イエマン)の妻秀儀(ホウ・サイフェイ)の弟で、孤児になった忠良が屋敷に来て、当主の娘如意とその遊び相手の端午と友達になった。彼は姉夫妻の身の回りを手伝うが、阿片中毒の彼らに性的虐待を受ける。ある晩、彼は正達の阿片パイプを準備したあと、家を飛びだして北京に向かった……。20年代の上海、成長した忠良(レスリー・チャン)は上海マフィアのボス大大(シェ・ティエン)に可愛がられ、有閑夫人を騙して脅迫するジゴロとなっていた。パン家では当主が死去、正達は阿片で廃人同様であることから、美しく成長した如意(コン・リー)が実質上の当主となり、端午(ケビン・リン)がその補佐役として養子になった。大大はパン家の財産を狙って忠良を里帰りさせる。如意はまもなく彼に夢中になり、処女の自分では魅力がないと思い込んで、端午と寝て女になる。パン家を嫌い、大大の指令に躊躇を感じていた忠良もやがて彼女との愛欲にのめり込む。如意と端午を北京に連れていくと言った忠良だが、桟橋で突然姿を消した。上海に戻った忠良は、愛人の天香通りの女(チョウ・チェ)を脅迫することを大大に約束する。彼の迷いを見抜いた大大は、密かに如意を呼び寄せ、忠良が愛人を陥れる様を目撃させる。だが皆の予測に反し、愛人は一瞬の隙をついて街路に身を投げ、失われた忠良との愛に殉じた。絶望した忠良を如意が訪ねるが、彼は彼女を拒絶した。宿に戻った如意を端午が強姦する。パン家に戻った如意に景雲(デイヴィッド・ウー)が求婚した。端午は如意が自分と忠良と寝たことを暴露するが、景雲の心は変わらない。婚礼の準備が進んでいるころ、忠良が戻ってきた。彼は如意を愛してると叫ぶが、如意は愛はもう醒めた、自分は良い夫と結婚するのだと告げる。忠良は別れの印に、如意のために最後の阿片パイプを支度した。そこにはかつて正達に支度したのとじように、砒素の毒が盛られていた……忠良は上海からの刺客に殺された。端午がパン家の新しい当主になった。披露の席に、今は兄同様廃人となった如意が車椅子で運ばれてきた。
スタッフ
監督、原案
チェン・カイコー
脚本
シュウ・ケイ
原案
ワン・アンイー
製作
トン・チェン・ニェン
製作
シュー・フォン
撮影
クリストファー・ドイル
音楽
チャオ・チーピン
美術
ホァン・チァグイ
編集
ペイ・シャオナン
衣装デザイン
チェン・チカーミン
衣装デザイン
ウィリアム・チャン
録音
ライ・チーチェン
録音
シャオ・ハンルー
字幕
戸田奈津子
字幕監修
刈間文俊
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
[c]キネマ旬報社