ローウェル・シャーマン
Ernest_Drake
ジョン・テイター・フート氏作の「龍の歌」を映画化したもので、ウィリス・ゴールドベック氏が脚色し、製作主任を長らく勤めたジョセフ・C・ボイル氏が第1回作品とした監督した。主演俳優は「地下鉄サデー」「憧れの水兵」等出演のドロシー・マツケール嬢「山だし娘」「女心を誰か知る」等出演のローウェル・シャーマン氏で、「雨製造者」「漂泊の人」等出演のウィリアム・コリアー・ジュニア氏、「百貨店」「猿飛カンター」等出演のローレンス・グレイ氏が始め、アイアン・キース氏、ゲイル・ケイン嬢、エディ・グリッボン氏、ドナルド・リード氏等が助演している。
1914年に始まった世界大戦は何時終わるとも見えず、中立を維持していた米国も連合国側に加わってドイツに宣戦した。それにつけて200万の米軍を欧州に輸送する際の危険を如何にして防ぐかが問題となり、英国海軍省の提案に従って米国は大護送艦隊を編成することになった。その頃ニューヨーク社交界の花形と謳われたシルヴィア・ドッジは、兄のジョンや恋人ユージーン・ワイスが海軍軍人となり、父は政府の任を受け手渡英したりしたので、女ながらも報告の志を立てた。そしてシルヴィアは海軍情報局長スミスの依頼によって秘密探偵となった。彼女の任務はドイツ間諜の巨魁を嫌疑濃厚なるエルンスト・ドレイクの近づいて確証を得ることであった。スルヴィアが人知れぬ苦心を重ねた末ようやくどれいくの秘密を握り得た頃には、彼女がかかる任務を受けているとは知らぬ、ユージーンとジョンとは彼女を売国奴と罵りつつ護送艦に乗り組んだ。シルヴィアの働きでドレイクは捕らえられたが彼女は誤解を受けて苦しまねばならなかった。彼女は戦時中己が任務を公表することを許されていなかったのである。一方英国艦隊はジユトランドの海戦でドイツ海軍を撃破したがその折りシルヴィアの兄ジョンは名誉の戦死を遂げた。平和克復の日、人淋しく兄の墓に詣でたシルヴィアはそのところで恋人ユージーンと邂逅し、政府からは功労賞を授けられ、始めて輝かしい生活に入ることが出来たのである。
Ernest_Drake
Sylvia_Dodge
John_Dodge
Eugene_Weyeth
Smith
Mrs._Weyeth
Mr._Dodge
Smith's_assistant
Eddie
Jack
Ione
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