ジュリア・ブレイク
Flo
招かれざる客の死体の始末に困った、2人の老婦人の奮戦ぶりを描いたブラック・コメディ。オーストラリア映画界の新星アラン・マッデンが舞台のために書いた脚本を自ら初監督。製作はブライアン・ローゼン、撮影は『ハウリングII』(V)のルイス・アーヴィング、音楽は新鋭ポール・グラボウスキー、美術は「モアイの謎」のジョージ・ライドルが担当。出演は「わが青春の輝き」のジュリア・ブレイク、「ダブルチェイス/俺たちは007じゃない」のリネット・カラン、「グランド・ゼロ」のサイモン・チルヴァースほか。95年東京国際ファンタスティック映画祭で第1回ファンタスティック観客大賞グランプリを受賞。テーマ曲を歌うロック・バンド、ジャックナイフのプロモーション・フィルムが本編の前に上映された。
夫と死別してから一緒に住んでいる2人の老婦人、ミニー(リネット・カラン)とフロー(ジュリア・ブレイク)は、万引きで生計を立てていた。ある日、彼女たちが営む下宿屋に、指名手配中の犯人グラブ(ボリス・ブルキク)が突然舞い込んできた。その時、この町では新参者の初老の警官、ハリー(サイモン・チルヴァース)が聞き込みに訪れた。ミニーは、快活で雄弁なハリーと意気投合し、彼に空き部屋を貸してしまう。その夜、ハリーは調子の悪いガス・ヒーターをいじくり回し、フローの寝室で眠りこけていたグラブを窒息死させてしまう。翌朝、彼の死体を見つけたフローとミニーはおっかなびっくり、バスタブで死体をバラバラに切り刻む。冷蔵庫に詰め込み、ロース肉と称してお客にごちそうしようという作戦だ。しかし、何十kg分もの「肉」はなかなか減らない。そのうち、切れ者のハリーが気がついたらしい。しかも、二人の老女はいつしか彼を好きになっていた。真相に気づいたハリーは、ある日、急に仲間の警官を集めてパーティーを催す。フローとミニーは腕によりをかけて、チキンとマッシュルームの「特別料理」をメインに、客たちをもてなした。相棒のリンチが逮捕状を用意していることを知ったハリーは、彼女たちを逮捕させたくないという思いから警官たちに死体を「処理」させようと一計を案じたのだ。やがてリンチの逮捕状は殺人とは別件だと判明。心配事のなくなったハリーは警察を辞職して彼女たちと暮らす始めた。
監督、脚本
製作
エグゼクティブプロデューサー
撮影
音楽
美術
編集
字幕
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