ズデニェク・スヴェラーク
Frantisek Louka
民主化直前のチェコスロヴァキア(当時)を舞台に、気ままな独身中年チェリストと、5歳の少年の交流をハートフルに描いた一編。監督は「アキュムレーター1」で注目された新鋭ヤン・スヴィエラーク。同作で主演した実父で俳優のズディニェク・スヴィエラークが再び主演を張り、パヴェル・ソウクップの原案を基に脚本も執筆。出演はオーディションで選ばれた子役アンドレイ・ハリモンほか。96年東京国際映画祭グランプリ、97年ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞受賞。
88年。プラハ。フランティ・ロウカ(ズディニェク・スビエラーク)は55歳で独身のチェリスト。かつてはチェコ・フィルの首席奏者まで務めた名手だったが、女性問題で転落、今はその日暮らしのぐうたら生活。彼の望みは、チェロを運べる大型車トラバント。そんなある日。ロウカの若い悪友のブロス(オンジェイ・ヴェトフィ)が彼に、ドイツ人の恋人と結婚するため、チェコの身分証明書が欲しいロシア女ナディズダ(ステラ・ザーズヴァルコヴァー)との偽装結婚を持ちかけた。礼金4万コルナという大金にひかれ、承諾したロウカだが、ナディズダは結婚式の直後、5歳の連れ子コーリャ(アンドレイ・ハリモン)を置き土産に遁走。トラバンドは手に入り、知り合いの歌手クララ(リブシェ・シャブラーンコワ)はたまに寝てくれるしとご満悦だったロウカだったが、コーリャの出現で事態は一変。はじめは煩わしいと思ったロウカだったが、やがて父親意識が芽生えた。彼はコーリャを手元で育てるため奔走するが、ロシア嫌いの母からは、コーリャがロシア人だと見抜かれ、秘密警察からは呼び出しはかかるわと苦労続き。そんな折り。ベルリンの壁が崩壊。プラハでも民主化運動が高まり、やがてチェコとスロヴァキアに国は分裂。そこにナディズダがコーリャを迎えに来た。別れを惜しむロウカ。しばらく後。民主改革成功の祝典。チェコの英雄ラファエル・クーベリック(本人)指揮の楽団にロウカは復帰していた。彼の子を妊娠中のクララは、ロウカを見守るのだった。
Frantisek Louka
Kolja
Klara
Mr. Broz
mother
Houdek
Nadezda
Captain Pokorny
監督
脚本
原案
製作
撮影
音楽
美術
編集
衣装デザイン
音響
字幕
日本語字幕監修
[c]キネマ旬報社