パム・グリアー
Coffy
麻薬組織に単身、復讐を誓った看護婦の姿をクールに描いたアクションもの。バイオレンスとエロスを強調し、70年代に流行したブラックスプロイテーションと呼ばれる低予算映画の1本。当時のファッションと音楽が独特のカッコよさを醸し出しており、90年代に入ってクエンティン・タランティーノの絶賛などによって再評価が進んでいる。監督・脚本は「残酷女刑務所」(71)などこの種の作品を数多く手掛けたジャック・ヒル。製作はAIPの社長として50~70年代にかけて夥しい数の低予算映画を手掛けたサミュエル・Z・アーコフ。ファンキーな音楽はジャズ・ファンク界の大物ロイ・エアーズ。主演は「残酷女刑務所」「エスケープ・フロム・LA」のパム・グリア。
看護婦のコフィ(パム・グリア)は、わずか11歳でドラッグに冒され、廃人同然となった妹の復讐のため、単身麻薬組織に立ち向かうことを決意し、手始めに地元のドラッグ・ディーラーの頭をショットガンで撃ち抜く。警察の麻薬捜査が一向に進展しないことに苛立つ彼女は、友人の警察官カーターに警察の不甲斐なさを訴える。彼は捜査の難しさを力説するが、彼女は納得できなかった。コフィは下院議員の恋人ハワードと過ごす時だけ心が休まった。次期選挙のキャンペーンで忙しい彼は弁舌がたち、常に黒人の立場の改善について演説して多くの支持を集めていた。一方、コフィはジャマイカから来た高級娼婦ミスティックと称して、コールガールの元締めでドラッグ・ディーラーでもあるキング・ジョージに渡りをつける。さらにその大元締めのヴィトローニにもうまく気に入られ、彼の家に呼ばれたコフィは、バッグに拳銃を忍ばせて近づくが、あと一歩のところでヴィトローニの用心棒に捕まってしまう。詰問された彼女は、キング・ジョージに指図されたと答え、ジョージは無残に処刑される。捕らわれの身のコフィの前にハワードが現れた。何と彼も麻薬組織の一員だったのだ。悪徳警官を含むヴィトローニの仲間3人に車に乗せられたコフィは反撃に転じて彼らを殺し、ヴィトローニも始末する。ショットガンを手にハワードの海辺の家に向かったコフィの心は揺れるが、涙を隠して裏切り者に銃弾を浴びせるのだった。
Coffy
Howard Brunswick
King George
Carter
Arturo Vitroni
Omar
McHenry
Nick
Ramos
Priscilla
Meg
Orderly
Dr. Brannan
監督、脚本
製作
撮影
音楽
美術
編集
衣装デザイン
字幕
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