トム・エヴェレット・スコット
Guy Patterson
64年、1曲のヒットを残して消えたロックバンドの若者たちの成功と挫折を描いた青春映画。俳優トム・ハンクスの初監督作で、「フォレスト・ガンプ 一期一会」「アポロ13」と当時のアメリカの世相を反映した映画に出演した彼が、音楽の世界からアメリカ近代史の変革にアプローチしている。劇中の楽曲は全てオリジナルで、ビートルズなど当時のヒット曲のニュアンスを完璧に再現し、ファッションや風俗なども含めたディテールの細かさが楽しい。ハンクス主演、ジョナサン・デミ監督の「フィラデルフィア」の作曲家ハワード・ショアの原案を、ハンクスが脚色。製作はジョナサン・デミ(映画監督役で出演も)、彼とクリニカ・エスティコを主宰するゲイリー・ゴーツマンとエドワード・サクソンの共同。撮影は「羊たちの沈黙」などのデミ作品や、「ジャイアント・ピーチ」のタク・フジモト。音楽もデミ組の常連ハワード・ショアがスコアを書き、ハンクスが挿入歌の作詞・作曲と共同プロデュースも担当。主演は「キルトに綴る愛」のジョナサン・シャーチ、映画初出演のトム・エヴェレット・スコット、「リアリティ・バイツ」のスティーヴ・ザーン、「白い嵐」のイーサン・エンブリー、「魅せられて」のリヴ・タイラーらの若手キャスト。ハンクス夫人で「ジングル・オール・ザ・ウェイ」のリタ・ウィルソン、「ア・フュー・グッドメン」のケヴィン・ポラック、そしてハンクス自身らが脇を固める。
1964年、ペンシルヴァニア州エリー。ドラムのガイ(トム・エヴェレット・スコット)、作曲兼リーダー格のジミー(ジョナサン・シャーチ)、リード・ギターのレニー(スティーヴ・ザーン)、ベース・プレイヤー(イーサン・エンブリー)から成るワンダーズは、地元のバンド・コンテストで『ザット・シング・ユー』を演奏し、大ウケして優勝。早速、街のライブハウスに出演すると、連日超満員。自主製作のレコードも跳ぶように売れ、彼らに目をつけたライブハウスの常連客ホレス(クリス・エリス)がラジオやテレビに売り込んだ。初の大ステージはブーイングで失敗するが、プレイ=トーン・レコードの大物ミスター・ホワイト(トム・ハンクス)がメジャー契約を申し出た。ジミーの恋人フェイ(リヴ・タイラー)も衣裳係として雇われる。『ザット・シング・ユー』はヒットチャートを急上昇し、ツアーも大成功するが、彼らの身辺も変わった。ガイのガールフレンドのティナは、忙しい彼から去り、ジミーはフェイがいながらシンガーのダイアンに接近。ベース・プレイヤーにもレニーにも、ガールフレンドができた。彼らの人気は鰻登りで映画にも出演するが、2曲目のレコードはなかなか出してもらえない。ジミーは会社に不信感を持つが、フェイは彼の才能を信じて励ます。全国ネットの人気番組『ハリウッド・ショウケース』に出演が決まったが、ベース・プレイヤーが現れず、ホワイトが代役を探してきて本番に臨む。10代の女の子たちが熱狂的な歓声を上げ、ホットな演奏風景が中継されるが、「ジミーには婚約者がいます」とのテロップが流れる。これを入れさせたのはフェイだと思い込んだジミーは、彼女と大ゲンカして2人の間の亀裂は決定的に。テレビの成功で新曲の録音が決定するが、バンドはバラバラ。ジミーとガイの友情は壊れ、レニーは恋人とベガスで結婚式を挙げ、ベース・プレイヤーは行方不明。ジミーの曲は採用されず、バンドは解散の憂き目に遭う。スタジオに残ったガイが一人でドラムを叩いていると、憧れのピアニスト、デル・パクストン(ビル・コッブス)が現れて一緒に演奏し、音響マンが録音してくれた。夢のように出来事が彼に希望を取り戻させた。いつしかフェイを愛していたことに気づいた彼は、故郷に帰ろうとする彼女を抱きしめてキスをした。その後、メンバーはそれぞれの道を歩んだ。
Guy Patterson
Faye Dolan
Jimmy
Lenny
The Bass Player
Mr.White
Tina
Lammarr
Chad
Horace
Sol Siler
Del Paxton
Troy Chesterfield
Margueritte
Uncle Bob
Boss Vic Koss
監督、脚本
原案、音楽
製作
製作
製作
撮影
美術
編集
衣装デザイン
字幕
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