ウィリアム・フォーサイス
Sid
一攫千金を狙って現金強奪計画を企てるパルーカ(間抜け)3人組の姿を描いたオフビート・コメディ。ニューヨーク大の卒業制作の短編映画『That Burning Question』(90)が高く評価されたアラン・テイラーの長編デビュー作。脚本は、イタリアのポストモダン作家イタロ・カルヴィーノの小説にインスパイアされたデイヴィッド・エプスタイン。製作はウベルト・パゾリーニ、製作総指揮はリンゼイ・ロウ、撮影はジョン・トーマス、音楽は「グース」のレイチェル・ポートマン、美術はアン・スチューラー、編集はデイヴィッド・レオナード、衣裳はキャサリン・ジェーン・ブライアント。出演は「フューネラル」のヴィンセント・ギャロ、「ザ・ロック」のウィリアム・フォーサイス、「青い記憶」のアダム・トレーズ、「ファーゴ」のフランシス・マクドーマンドほか。ヴェネチア映画祭最優秀新人監督賞受賞。
ラス(ヴィンセント・ギャロ)、シド(ウィリアム・フォーサイス)、ジェリー(アダム・トレーズ)の3人組は一攫千金を狙って、深夜、宝石店に忍び込むが、間違って隣のパン屋に入ってしまう。コーヒーショップで反省会を開いた後、歩いている彼らの前にフラフラ運転の現金輸送車が現れた。脇道に突っ込んで止まった輸送車に忍び寄ると、老人の運転手が心臓発作で苦しんでいる。金を奪うか、どうするか迷った挙げ句、結局、3人は運転手を病院に、そしてご丁寧にも輸送車を銀行へと運ぶ。バカ正直さを悔やむ3人。だが、このことがきっかけで、シドがある計画を思いつく。そこで出来上がったのが、完璧な(?)現金輸送車強盗計画。古いRKO映画も観て、3人の闘志は固まる。おもちゃのピストルを手に、いざ出陣。手筈どおりラジエーターに細工したのが功を奏したか、覆面をした3人はスピードを落とした輸送車を止め、現金の入った荷台をこじ開ける。ところが中から現れたのは拳銃を構えたガードマンだった。逃げるガードマンに、どこから持ってきたのか本物の銃を向けるラス。だが、発砲のタイミングを逃し、ガードマンの姿は視界から消えた。間もなく3人の元に警官が現れ、任意同行を求めた。これまでか、と観念する3人組だったが、意外にも強盗の件ではなかった。何と例の運転手を助けたことで、市と警察から表彰されたのだ。晴れがましい舞台でぎごちなく立ち尽くす3人は、照れ笑いを浮かべた。
Sid
Russ
Jerry
June
Betty
Laurie
Enid
監督
脚本
製作
エグゼクティブプロデューサー
撮影
音楽
美術
編集
衣装デザイン
字幕
[c]キネマ旬報社