ファブリス・ルキーニ
Beaumarchais
『フィガロの結婚』『セビリャの理髪師』などの劇作家にして、発明家・裁判官・実業家・武器商人、はたまた国際スパイと八面六臂の活躍で知られるピエール=オーギュスト・カロン・ド・ボーマルシェ(1732~99)の半生を描いた時代物。監督は「殺られる」などのフィルム・ノワールで名を挙げ、「Mr.レディMr.マダム」など、娯楽作で知られるベテラン、エドゥアール・モリナロ。製作は「死への逃避行」「しあわせはどこに」のシャルル・ガッソ。脚本・脚色・台詞は、サシャ・ギトリの未完成の原作戯曲を基に、モリナロとジャン=クロード・ブリスヴィルが執筆。撮影はミヒャエル・エップ、音楽は「チャタレイ夫人の恋人」のジャン=クロード・ブティ。美術はジャン=マルク・ケルデュリエ、編集はヴェロニク・パルネ、衣裳はシルヴィー・ド・セゴンザック。主演はエリック・ロメールの常連俳優として、主に名バイプレーヤーとして知られる「愛の報酬」のファブリス・ルキーニ。共演は「深夜カフェのピエール」のマニュエル・ブラン、「哀しみのスパイ」のサンドリーヌ・キベルラン、「シラノ・ド・ベルジュラック」のジャック・ウェベール、「夜のアトリエ」のクレール・ヌブーほか。また、「とまどい」のミシェル・セロー、「美しき諍い女」のミシェル・ピコリ、「百一夜」のジャン=クロード・ブリアリらベテラン勢も顔を見せる。
18世紀。パリ。ボーマルシェ(ファブリス・ルキーニ)は、貴族社会で異彩を放つ劇作家として、また自由人としての進歩的な発言と行動で民衆にも人気があった。そんな彼に敬服し、行動を共にするようになったのが、ボーマルシェが心服していた哲学者ヴォルテールの元から来た青年ギュダン(マニュエル・ブラン)。ボーマルシェの傍には、年の離れた愛人で進歩的な女性マリ=テレーズ(サンドリーヌ・キベルラン)が常にいた。裁判官もつとめるボーマルシェは、審議中に決闘を挑んできたショールヌ公爵(ジャック・ウェベール)相手に巧みな剣捌きを見せ、またも評判を高めた。そんな風評を聞いて、国王ルイ15世(ミシェル・セロー)はボーマルシェを呼び、スパイの仕事を命じた。英国に赴いた彼は、性別不明の敏腕スパイ、騎士デオン(クレール・ヌブー)と接触、重要文書を手に入れることに成功した。前途洋々の彼だったが、手がけたフランス座で上演した『セビリャの理髪師』は失敗、さしもの彼も挫折感を味わう。ボーマルシェは彼の支持者で病床にあったコンティ公(ミシェル・ピコリ)から、同作の主人公フィガロの続編を見たいと言われるが、これはギュダンの画策だった。二人の男の友情は、ボーマルシェの度重なる浮気に怒ったマリ=テレーズが、当てつけにギュダンと一夜を明かしても、破れることはなかった。かくして新作『フィガロの結婚』は完成したが、体制批判の多い内容に許可がなかなかおりず、前途は多難。初演日。落ち着かず、居合わせた司祭(ジャン=クロード・ブリアリ)に祈りを求めるボーマルシェ。不安がこうじて逃げ出そうとしても、外には彼のファンの群衆が彼を追い返す。幕明け。公演は大成功。観客の喝采に感動するボーマルシェ、そしてギュダンとマリ=クレール。だが、その場で彼は、国王の名前で逮捕された。獄中でギュダンに新たな上演を頼む手紙を綴る彼の元に、国王からの使者が釈放を告げる。ボーマルシェは「王と議会の皆さんが『フィガロの結婚』を見てくれたら出てもいい」と言うと、不敵な笑みを浮かべた。王は拒否しなかった。だが、これが後のフランス革命の第一歩だと知る者はいなかった。
Beaumarchais
Gudin
Marie-Therese
Duc de Chaulnes
Prince de Conti
Chevalier d'Eon
Marion Menard
Louis XVI
Sartine
Mariette Lejay
Louis XV
L'abb?
Lord Rochford
Louis Goezman
監督、脚本、台詞、脚色
脚本、台詞、脚色
原作
製作
撮影
音楽
音楽
編集
衣装デザイン
録音
字幕