クリス・ビデンゴ
Kelly
大人になれば壊れてしまう思春期の少女の友情を、時間が逆行する独特の手法で描いた作品。監督は「ある貴婦人の肖像」のジェーン・カンピオンで、彼女の出世作となった。製作は「ピアノ・レッスン」のジャン・チャップマン。脚本はヘレン・ガーナー。撮影はジュリアン・ペニー、音楽はマーティン・アミガー、美術と衣裳はジャネット・パターソン、編集はビル・ルッソ。出演はエマ・コールズとクリス・ビデンコ。
優等生タイプのルイーズ(エマ・コールズ)と、不良タイプのケリー(クリス・ビデンコ)という、全く対照的な二人の女子高生は、少し前まで親友だったものの今は遠い関係である。一見すると何の接点もないように見える二人だが、数カ月前は外見も性格もよく似ていたのだ。二人は同じ中学校の同級生だった。しかしケリーが合格したルイーズと同じ名門女子校を、ケリーの義父が無理矢理やめさせたのだ。そこからケリーは荒れ出し、ルイーズとの仲は疎遠になっていく。さらに時間をさかのぼると、ショート・カットで中学校の制服を着て、輝ける未来に向かって乾杯する二人は、まるで姉妹のようにそっくりである。彼女達は後の悲劇を知ることもなく、無邪気な笑顔に包まれていた。
監督
脚本
製作
撮影
音楽
美術、衣装デザイン
編集
字幕
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