フェム・ファン・デン・エルズン
Jacqueline
「自由な街」アムステルダムに憧れてやってきたカップルが送る荒んだ日々を描いた青春ドラマ。全編デジタル・ヴィデオカメラで撮影・編集され、35ミリフィルムにキネコされた。監督は南アフリカ出身でオランダのアンダーグラウンド・シーンで活躍する「テクノ」のイアン・ケルコフで、彼の初の長編劇映画。製作はボブ・ファレン・ヘレンブルフ・ヒューバー、デニス・ウィヒマン、トン・ファンダー・レー。脚本はケルコフとファンダー・レー。撮影は何度かケルコフとコンビを組むヨースト・ファン・ヘルダー。編集はJ・P・ライスターゴルフ。音楽はオットー・ファンデン・トールンで、実験的な音響設計はミシェル・スホッピング。出演はフェム・ファンデン・エルズン、ティゴ・ヘルナンド、「オルランド」のトム・ホフマンほか。
地方都市からアムステルダムへ出てきたジャッキー(フェム・ファンデン・エルズン)とマーティン(ティゴ・ヘルナンド)のカップル。体制側でさえドラッグに対してある程度寛容なこの街でさっそくパーティー気分を味わうふたりだったが、マーティンは働きもせずに家でごろごろしているだけ。ジャッキーは生活費とドラッグを買う金を稼ぐためにソフト・ドラッグを取り扱う店で働く。ある日店にやってきたドラッグの元締めJP(ヒューゴ・メッセルス三世)に誘われ、ジャッキーはより稼ぎのいいハード・ドラッグの売人もすることにした。ジャッキーと友達になったYOYO(ヨリンデ・モル)とDD(アフケ・レイエンガ)はクラブ・シーンで華々しく活躍することを夢見ていて、アムスのナンバーワンDJ・DJカウボーイ(トム・ホフマン)の下でテクニックを磨く。そんな時、ジャッキーは母親から交通事故を起こした父親を保釈させるために大金が必要だと知らされる。身体と引き換えにJPから金を借りるジャッキー。それに気付いたマーティンは家を出てYOYOと暮らし始める。YOYOとDDはDJカウボーイのテクニックを盗めるだけ盗み、クラブ・シーンでは今や彼を凌ぐ存在になっていた。JPとの関係を清算したいジャッキーはレコーディング資金として店の売り上げの一部を無断でふたりに融資して一儲けをたくらむ。しかし店の金に手をつけたことがボスのウィンストン(マイク・リンバノン)に知られ、早く返さないと痛い目を見ることになると脅される。YOYOとDDがメインDJを務めるパーティでジャッキーは自分の取り分をよこせと迫るがはぐらかされる。もみ合いの末に金を返してもらったもののマネジャーに叩き出されてジャッキーは心身ともにぼろぼろだった。ウィンストンのところに行くと彼はドラッグ取引のいざこざからJPに殺されていた。一方マーティンはウィンストンを殺して出てきたJPをパーティの余韻でハイになっている仲間たちと襲い袋だたきにする。ウィンストンからくすねてきたドラッグとJPから奪った大金を持って、ジャッキーとマーティンは故郷に帰ることにした。
Jacqueline
Martijn
DJ Cowboy
JP
Winston
Yoyo
DD
Stanley
Fundi
監督、脚本
脚本、製作
製作
製作
撮影
音楽
編集
サウンドデザイン
字幕
字幕監修
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