フォン・フェイフェイ
バン・ウェンチー
「憂鬱な楽園」など香港ニュー・ウェーヴの名匠ホウ・シャオシェンが、監督デビューを果たした青春ラヴコメディ。全編にわたって、主演した当時の台湾で人気のアイドル歌手、フォン・フェイフェイとケニー・ビーの曲が流れる。脚本もホウ・シャオシェン。企画と撮影は『少年』(脚本はホウ監督、特別上映のみ)の監督、チェン・クンホウで、若きホウ監督を全面的にバックアップし、「冬冬の夏休み」(84)までコンビを組んだ。製作は李憲章、製作総指揮はリュ・ターチュエン。音楽は黄茂山。編集のリャオ・チンソン、録音のシン・ジャンシェンは、以後ホウ作品の常連となった。
潘財閥のひとり娘、ウェンチー(フォン・フェイフェイ)は、父に命じられ、馬財閥のひとり息子、チェン(チェン・ヨウ)との結婚を前に、叔母を頼って少女時代を過ごした故郷の村に帰る。そこで折しも村に仕事で来ていた測量技師、ターガン(ケニー・ビー)と出逢う。彼の破天荒で大らかな人柄に惹かれてゆくウェンチー。ふたりの間には愛情が芽生え始めるが、ウェンチーは恋心を胸に、別れも告げず突然に去ってゆく。ターガンは、彼女の愛情を疑うことができず苦悶する。やがてターガンは台北に帰るが、父の用事で預かり物を届けに出かけた先で、ちょうどウェンチーとチェンとの婚約披露パーティーの場に出くわしてしまう。ターガンは動揺し、ウェンチーにつきまとって会場は大騒ぎになる。その後、ターガンはふたりのデートに乱入してくるが、気さくなターガンをチェンはすっかり気に入り、男ふたりは意気投合してかえってウェンチーがひとり蚊帳の外になってしまう。やがてチェンが、将来を約束した相手がほかにいることを告げ、婚約破棄をウェンチーに提案する。ウェンチーは彼の申し出を聞き入れ、ターガンは結婚の許しを彼女の父に求めるが、頑なな父は素性の知れない男との結婚など許そうとはしない。落ち込むウェンチーのもとに、叔母から見合いの話が舞い込む。父も大乗り気の好条件の縁談だ。会ってみるだけと説得されていやいやながらに出かけて行くが、見合い相手は現れず、なぜかターガンが来て叔母と笑い合っている様子。ターガンに連れられて彼の家に行ってみると、立派な邸宅の前で一家揃って出迎えてくれる。測量技師で自活してはいるが、ターガンはチェン以上の御曹司だったのである。
監督、脚本
製作
エグゼクティブプロデューサー
撮影、企画
音楽
編集
録音
字幕
[c]キネマ旬報社