ジョン・キューザック
John Kelso
北米一美しい町・サヴァナを舞台に、ある殺人事件をめぐってあらわにされる隠された人間模様を描いた異色のドラマ。ジャーナリストのジョン・ベレントによる同名ノンフィクションの映画化(邦訳・早川文庫刊)。監督は「目撃」のクリント・イーストウッドで、彼の監督20作目にあたり、自ら主演しない監督作品は『愛のそよ風』(73、テレビ放映のみ)、「バード」(88)に次いで3作目。脚本は「パーフェクト・ワールド」のジョン・リー・ハンコック。製作はイーストウッドと本作の映画化権を取得した「きのうの夜は…」などのアーノルド・シュティーフェル。製作総指揮はアニータ・ズーカマン。撮影のジャック・N・グリーン、音楽のレニー・ニーハウス、美術のヘンリー・バムステッド(「スティング」「ケープ・フィアー」)、編集のジョエル・コックスはイーストウッド組の常連。出演は「ザ・プロデューサー」「アルビノ・アリゲーター」(監督のみ)のケヴィン・スペイシー、「コン・エアー」のジョン・キューザック、「戦場のメリー・クリスマス」「ラストダンス」のジャック・トンプソン、「ガタカ」のジュード・ロウ、「フューネラル」のポール・ヒップ、イーストウッドの愛娘であるアリソン・イーストウッドほか。また、実際にサヴァナの町の名士であるレディ・シャブリが本人役で好演。
ジョージア州サヴァナ。ジャーナリストのジョン・ケルソー(ジョン・キューザック)は、クリスマス・パーティの取材のため、優雅な社交界が残る歴史ある当地を訪問。ところがその晩、美術・骨董商として評判の町の名士、ジム・ウィリアムズ(ケヴィン・スペイシー)が、屋敷に出入りしていた青年ビリー・ハンソン(ジュード・ロウ)の殺人容疑で逮捕される。ウィリアムズは正当防衛を主張。ジョンは事件を取材して著作にしようと、裁判に協力することを条件にウィリアムズの了承を得て独自の調査を開始、だがサヴァナの町の人々の不可解さが増すばかり。ウィリアムズも夜中にジョンを墓地に連れ出し、ブードゥーの祈祷師ミネルバ(イルマ・P・ホール)を呼び出して何やら儀式を行ったりする。そんな中でジョンは、元弁護士でピアノの名手ジョー・オードム(ポール・ヒップ)や、ジョーのパートナーのマンディ・ニコルズ(アリソン・イーストウッド)、ドラッグ・クィーンのレディ・シャブリ(本人)ら、奇妙ながら楽しい人々と親しくなる。さて、裁判は弁護士のソニー・サイラー(ジャック・トンプソン)の奮闘もむなしく、検察側が優勢。ウィリアムズの無罪のためには、ビリーが先に発砲した証拠をつかむことが必要だった。ジョンがその証拠をつかみかけた矢先、突然ウィリアムズは「ビリーは発砲しなかった」とジョンに告白。混乱するジョンだが、裁判ではソニーが新しい証拠を提示して見事無罪を勝ち取ってしまった。ところがその直後、ウィリアムズは急死。真相は結局闇の中となった。ジョンは恋仲になったマンディとサヴァナで新生活を始めた。
John Kelso
Jim Williams
Sonny Seiler
Minerva
Billy Hanson
Mandy Nichols
Joe Odom
Lady Chablis
Luther Driggers
監督、製作
脚本
原作
製作
エグゼクティブプロデューサー
撮影
音楽
美術
編集
字幕
[c]キネマ旬報社