レスリー・チャン
シン
香港で<三級片>と呼ばれるポルノ映画を撮ることになった、売れない映画監督とその周りの悲喜劇を描いたほろ苦いコメディ。監督・脚本は「つきせぬ想い」でコンビを組んだイー・トンシンとロー・チーリョンが共同であたる。製作はキャスリーン・ハーン。製作総指揮は「kitchen キッチン」のレイモンド・チョウ。撮影は「食神」のジングル・マー。音楽は「フルスロットル 烈火戦車」のクラレンス・ホイ。美術は「ラヴソング」のイー・チョンマン。出演は「ブエノスアイレス」のレスリー・チャン、「初恋」のカレン・モク、「BE MY BOY」のスー・チー、「kitchen キッチン」のロー・ガーイン、「恋する天使」のラウ・チンワン、「フルスロットル 烈火戦車」のチョイ・カムコンほか。
ここ一年近く仕事のない映画監督シン(レスリー・チャン)のもとに、プロデューサーのチャン(ロー・ガーイン)から脚本が売れたと電話が入る。同棲中で婦人警官のメイ(カレン・モク)と喜ぶのも束の間、脚本とは全く関係のないポルノ映画を撮るハメに。脱ぐのをいやがる女優のモニク(スー・チー)が、相手役であるワー(チョイ・カムコン)のことを毛嫌いし撮影は全く進まない。そんな中、シンの尊敬する映画監督、イー(ラウ・チンワン)の新作が大不評で、それを苦にイーが自殺したことを知る。そして、それが引き金となってその作品が大入りであるということも。話題性が客の入りを左右すると考えたチャンは、町中で濡れ場シーンをゲリラ撮影するよう要請。気乗りしないシンであったが撮影を開始し、モニクが激怒、降板を宣言する。ドタバタの中、シンもチャンとの口論の末、撮影から降りてしまう。だが、自主製作映画を作っている若者から自殺したイー監督の熱い話を聞かされ、心動かされたシンは撮影を再開する。今までとは明らかに違うシンの表情に接したモニクは、彼の気持ちに応えて生き生きと演技をし始める。そんなモニクに入れ込む彼の気持ちを疑ったメイは、シンに絶縁の言葉を投げて部屋を出ていく。失意のシンではあったが、スタッフたちに支えられてラストシーンの撮影も無事終了。喜び合っているその時、電源がショートしてセットに引火、現場は火の海に。スタッフが命辛々フィルムを運び出すが、ラストシーンは焼失。撮り直しを求めるシン一同に対し、冷たい言葉を浴びせるスポンサーと大乱闘。傷だらけのうえ、やる気まで失せてしまったスタッフたちとサッカーを観戦するシン。彼は「サッカーと同じようにみんなと映画がつくれてよかった」とにスタッフ全員に礼を言い、スタジアムをあとにする。その言葉に感動し、彼の後を追っていくスタッフたち。その後、撮影を再開するスタッフたちが、女優をやめてもやんちゃなモニクが、そしてメイと復縁した元気一杯のシンがいた……。
監督、脚本
監督、脚本
製作
エグゼクティブプロデューサー
撮影
音楽
美術
録音
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