エルヴィス・プレスリー
Walter_Gulick
フランシス・ウォーレスの小説「キッド・ギャラハッド」をウィリアム・フェイが脚色し「秘密諜報機関」のフィル・カールソンが監督したコメディ。撮影は「終身犯」のバーネット・ガフィ、音楽はジェフ・アレクサンダー。出演者は「夢の渚」のエルヴィス・プレスリー、「ミンクの手ざわり」のギグ・ヤング、「ブルー・ハワイ」のジョーン・ブラックマン、TVのチャールズ・ブロンソン。製作は「夢の渚」のデイヴィッド・ワイスバート。
陸軍を除隊したウォルター(エルヴィス・プレスリー)は天涯孤独なため行くあてもなく生まれ故郷へやって来た。そして拳闘クラブへ寄ると、貧乏経営者のグローガン(ギグ・ヤング)にたちまちスパリング・パートナーにされてしまった。が、防御一点張り。ところが次の瞬間、ラッシュしたウォルターの右フラックに本職ボクサーがKOされる始末。それを見たグローガンは大喜び。早速プロモーターに売り込み始めた。翌朝、兄の赤字経営を見かねたローズ(ジョーン・ブラックマン)が、手助けしようとやって来た。そして兄の心配をよそにローズとウォルターは相思相愛になってしまった。数日後、“キッド・ギャラハッド”の名でリングにデビューしたウォルターは、見事右フックで初戦を飾った。以後は連戦連勝だった。が、こと女にかけては弱く、可愛いローズにあっさりKOされてしまった。つまり、ボクサーなどというやくざな商売はやめて自動車修理工場を開くというのだ。それを知ったグローガンはカンカンに怒った。ここで金の卵に逃げられたら、次の大試合に困るからだ。一方、暗黒街のボス、オットーは、名セコンド、リュウやグローガンを買収し、次の試合で大儲けしようと企んでいた。だが、彼らが相手にしないと悟ると、リュウやグローガンに暴力のかぎりを尽くした。それを見たウォルターには、正義のファイトが湧いて来た。翌晩、リングに上がったウォルターは、前半の劣勢にもめげず恋と正義を賭けた右フックが爆発し、ついに第6ラウンドで強敵を倒した。喜びに沸きかえる控え室。どの顔もどの顔も笑っていた。そんな中にとりわけ幸せそうな2人がいた。ウォルターとローズだった。
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