水島かおり
笠谷美樹
孤独な女刑事が、偶然巡り会った男の犯罪に加担したことから堕ちていく姿を描いたサスペンス。監督は「死国」の長崎俊一。脚本は、「20世紀ノスタルジア」の中島吾郎と、本作で初めて脚本を執筆した桜井恵子、そして「ロマンス」長崎監督の共同。撮影を「ヒロイン!」の本田茂が担当している。主演は、「ロマンス」の水島かおりと「犬、走る DOG RACE」の遠藤憲一。98年度ヴァンクーヴァー国際映画祭正式出品作品。97年度製作。VTR作品。ビデオプロジェクターによる上映。
女刑事・笠谷美樹は、全ての始まりとなったあるアパートの前で事件の一部始終を回想する----。それは、美樹が殺人犯・宇佐美を追跡中の出来事だった。潜伏中のアパートから逃げる宇佐美を追っていて自動車事故を誘発してしまった彼女は、炎上寸前の事故車から銀行員の寺西という男を救出した。ところが、寺西は美樹に向かって「助けてくれない方がよかった」と呟く。実は、彼は一緒に乗っていた同僚の白石に脅迫されており、事故に紛れて車に火を放ち白石もろもと死のうとしたのだ。所在なげに事の経緯を話す寺西。そんな彼に惹かれていく美樹。その後の取り調べで、彼女は寺西の犯行を隠蔽し事故として事件を処理する。だが数日後、寺西の元に一通の脅迫状と共に事故車の中からライターで火をつけようとしている寺西の写真が届いた。寺西と取引現場に向かう美樹。ところが、現れた脅迫者・安原は寺西ともみ合っているうちにビルの屋上から転落死してしまう。しかも、彼の所持品からはネガは出てこなかった。殺人事件となれば警察も動き出すに違いない。警察がネガを見つけたら、美樹も寺西も窮地に立たされる。今や寺西を愛し始めていた美樹は、宇佐美の事件から外され安原殺しの担当になったのをいいことに、探偵であった安原の家や事務所の家捜しを始める。だが、結局ネガは出てこないまま、宇佐美の市内潜入で安原殺しの捜査は大幅に縮小されるのだった。これで一安心だ。ところが、ネガのないことで安心出来ない寺西が安原のアパートに侵入したところを住人に見られてしまった。こうなると、警察が再び動くだろう。美樹は、一刻も早くネガを始末する為、安原の事務所に侵入。居合わせた事務員を殺し、証拠隠滅を計って事務所に火を放つ。こうしてネガは始末されたかに思えたが、実はネガは警察に保管されていた安原の車の中に隠されていたのだ。漸くそれに気づく美樹。だがその時には、既に先輩刑事の虻川がそのネガを握っていた。虻川は、自らの手で寺西を逮捕し自首することを美樹に勧める。そんな時、宇佐美が見つかったとの連絡が入った。最後の仕事に、虻川と出動する美樹。現場に急行したふたりは、宇佐美を追いつめることに成功。激しい銃撃戦の末、美樹は宇佐美を射殺すると、更に美樹は宇佐美の拳銃を虻川に向けて発砲するのであった_。
監督、脚本、編集
脚本
脚本
エクゼクティブ・プロデューサー
撮影
音楽
美術
編集
スタイリスト
照明
録音
音響効果
助監督
プロデューサー
プロデューサー
台詞
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