ビル・ボイド
Skipper
「怒号する天地(1932)」「米国撃滅艦隊」のビル・ボイドが主演する映画で、ケイシー・ロビンソンとボッブ・ローズが書き下ろした原作を、「武装ラグビー」のベン・マークソンとアグネス・クリスティン・ジョンストンが共同脚色し、俳優だったラルフ・インスが監督に当たり、「山荘の殺人」「独立守備隊」のJ・ロイ・ハントが撮影したもの。助演者は「雨」「暴風の処女」のウィリアム・ガーガン、「キング・コング(1933)」「青春罪あり」のブルース・キャボット、新人ドロシー・ウィルソン、「シマロン(1931)」のロスコー・エイツ、「南海の劫火(1932)」のクレイトン・チェニー、「三角の月」のウィリアム・ベイクウェル、その他である。
ハリウッドで生命を的に冒険を演ずる特殊エキストラの中でも、スキッパーとボッブの二人は殊に大胆と妙技で顔が売れていた。ある日彼らはギャング映画の撮影で生命がけの仕事を終え、馴染みの酒場「天使の巣」に一杯飲みに行った。そこで、仲間の一人スラッガーが美しいエキストラ・ガールと結婚することを知ったスキッパーは、冒険師が妻を持つと必ず気後れがして仕事でドジを踏むものだ、と一同に注意した。スラッガーが仕事でトチって死んだのはそれから間もない事だった。ところがスキッパーとボッブもフランという可憐な娘を愛するようになり、親友の二人は図らず恋敵となったが、フランの愛を勝ち得たスキッパーだった。スキッパーは妻の薦めに冒険師の仕事を止めていたが、ある撮影で一人の冒険師が誤って死んだので代役を勤めねばならなくなった。相棒はボッブだったが、仕事の最中、夫の身を案じて駆けつけたフランの叫び声を聞いてスキッパーはトチってしまう。そのために相手のボッブは火焔の中に落ちたが、スキッパーの必死の冒険で二人は辛くも命を拾った。然し酷い負傷をした二人は共に仕事を失ってしまう。フランが産褥を呻吟する身となった時はスキッパーの蓄えは一文も無くなっていた。彼は発奮して、仲間が恐れて放棄した瀑布を乗り越すという大冒険を敢行して、見事に成功した。金を掴んだスキッパーは彼としては空前の冒険を実演しながら、妻のもとへまっしぐらに駆けつけたのであった。
Skipper
Fran
Bob
Happy
Gabby
Frankie
Doris
Midge
Ginger
Slugger
Rusty
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