ウィリアム・パウエル
John_Prentice
「男の世界」「影無き男(1934)」と同じくウィリアム・パウエルとマーナ・ローイが主演する映画で、W・E・ウッドワード作の小説に基づいて、「春の火遊び」のハワード・エメット・ロジャースと「ブルースを唄う女」のレノア・コフィーが協力して脚色し「猫と提琴」「力と栄光」のウィリアム・K・ハワードが監督に当たり、「奇傑パンチョ」「猫と提琴」のチャールズ・G・クラークが撮影したもの。助演者は「魔の超特急」のユーナ・マーケル、「男の世界」のイザベル・ジュウェル、「砲煙と薔薇」のヘンリー・ウォズウォース、「流れる青空」のハーヴェイ・スティーブンス、「クリスチナ女王」の子役コーラ・スー・コリンズ、ロザリンド・ラッセル等である。
ジョン・ブレンティスは紐育の法律界で唯一の評判のある腕利きの弁護士だった。妻のイヴリンとの間には女の子のドロシイもあって家庭は円満だったが、イヴリンにとって唯一の不足に思うことは夫が仕事の繁忙さからとかく公用で出歩いてばかりいる事だった。そうした寂蓼のある刹那、彼女は親友のアミイに誘われてさるナイト倶楽部へ出掛けた。そこで会ったのが女こましのローレンス・ケナードで彼は直ちにその毒牙を磨いて彼女を餌にしようと狙った。夫を愛する彼女には浮いた気持ちは少しもなかったが、つい淋しさにまぎれて数回ケナードと行動を共にしたが、それも悪いことと分かり断然手を切るようにと手紙を出した。ケナードは早速その手紙を利用して莫大な手切れ金を要求した。何事も夫に知らさぬ心算のイヴリンはピストルを擬して手紙の奪還を策したが女の身の悲しさにケナードの一撃にあって倒れる機勢に引き金は引かれて発射しケナードは倒れ、隣室に人の気配を感じて彼女は夢中で逃げ去った。彼女は全てを夫に告白する決心をしたが娘の愛に引かれて躊躇している中に、ケナード殺しの嫌疑を被った情婦のジュディス・ウィルソンの裁判の日が来た。イヴリンの夫ブレンティスは彼女の弁護に立ったが全ての状況が被告に不利でジュディスがいよいよ殺人の罪に問われる事となった瞬間、法廷にあったイヴリンはついに耐え兼ねて自分が殺したのだと告白した。法廷は一時大混乱に陥ったが冷静なブレンティス弁護士の理路整然たる追求に、ついにジュディスは日頃悪事を重ねているケナードを憎むの余り彼を射殺したことを告白したが、イヴリンは正当防衛であった事が立証された。ブレンティス夫妻は娘泥椎を伴って幸福な欧州遊覧の旅に上がった。
John_Prentice
Evelyn_Prentice
Amy_Drexel
Mrs._Harrison
Lawrence_Kennard
Judith_Wilson
Delaney
Chester_Wylie
Dorothy_Prentice
Mrs._Blake
監督
脚本
脚本
原作
製作
撮影
音楽
美術
編集
[c]キネマ旬報社