坪井妙子
キョウコ
隅田川を舞台に、3人の男女の揺れる心情を描いた短篇ドラマ。監督・脚本は斎藤理香。尚、本作は映画人養成を目指す機関“ニューシネマワークショップ“の主催する『Movies High! NCWセレクション』のAプログラムの1作として公開された。98年水戸短編映像祭審査員奨励賞受賞作品。16ミリ作品。
夏休み。東京へ撮影旅行にやって来たキョウコは、隅田川の岸を走るふたりの青年を見つけ、彼らの写真を撮り始める。やがて、彼女はふたりと会話するようになり、常に前を走るリョウタに惹かれていくが、皮肉にも彼女に心寄せたのは常に後ろを走るミツオの方だった。すれ違う3人の心情。そして、リョウタとミツオは一緒に走るのをやめてしまう。それから数日後、キョウコが故郷に帰る日の朝。キョウコをホームに見送り、彼女にいつかリョウタに追いつくことを約束したミツオと、川岸で列車のキョウコを見送ったリョウタは、その後、再び一緒に走り出す。
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