「三人三色」とは、韓国チョンジュ映画祭がデジタル映像による新しい表現を求め、毎年アジア圏を中心に選出した3人の映画監督に依頼して製作されるオムニバスである。ルールは3つ。デジタルフォーマットでの撮影・編集。30分程度の短編であること。5000万ウォン(約500万円)以内の予算で製作すること。今回は、韓国の若き天才ポン・ジュノ(『ほえる犬は噛まない』『殺人の追憶』)。香港の新世代を代表するユー・リクウァイ(『天上の恋歌』)。日本からは、熱烈なファンを持つ石井聰互(『狂い咲きサンダーロード』『DEAD END RUN』)が参加する。それぞれのアプローチで「フィクション/リアリティ」の境界線を描き、独自の世界を表現している
ストーリー
物語は、チョウ・ヒュクレという男(ユン・チェムン)が漢江(ハンガン)の橋の上に、危なげにたたずんでいるシーンから始まる。無防備に映し出された彼をとらえているのは、ソウル市内に点在する監視カメラ。失業中のチョウ氏は、金に困り次々と犯罪を犯してゆく。最初は小さなものから、次第に人を傷つけることも厭わなくなってゆくチョウ氏は、相棒の大女(コ・スヒ)とともに、犯罪に歯止めが効かなくなってゆく…。どん底に堕ちてゆくチョウ氏とその周りの人々の“狂気”を、ソウル市内に点在する監視カメラが映し出す。未知のソウルの“リアル”な映像は、時間が経つにつれてどんどんと崩壊してゆく。
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