最後の抱擁(1939)
最後の抱擁(1939)
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最後の抱擁(1939)

1946年7月公開
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「忘れがたみ」に次いでジョン・M・スタールが製作・監督した作品で、ジェームズ・M・ケインの原作を「艦隊を追って」「トップ・ハット」のドワイト・テイラーが脚色したもの。主演社は「生活の喜び」「新婚道中記」のアイリーン・ダンと「歴史は夜作られる」「沙漠の花園」のシャルル・ボワイエで、「俺が法律だ」「ステラ・ダラス(1937)」のバーバラ・オニール、「大空地獄」「三銃士(1935)」のオンスロー・スティーヴンス、「透明光線」「クレイグの妻」のニディア・ウェストマン、「おしゃれ地獄」のフリッツ・フェルド、「わが家の楽園」のネラ・ウォーカー等が助演している。キャメラは「煌めく銀星」「ジョゼット」のジョン・J・メスコールが担当し、音楽はユ社音楽主任のチャールズ・プレヴィンが指揮に当っている。(「明日来りなば」の題で'40年に公開)

ストーリー

ニューヨークの庶民街のあるレストランで働いているヘレンは、初めて来た客のフィリップという外国人を、初めは怪しい男だと思っていたが、間もなく2人は打解けて話すようになった。そして1日彼女はフィリップに誘われ、ヨットに乗って海上に遊んだ。舟の上で語るうちに、フィリップは後3日すればパリへ帰らねばならない人だということが判る。静かな海が急に荒れて来たので、2人は陸へ上った。ヘレンが連れて行かれた家は、フィリップの所有する家であったが、そこで彼女はフィリップは有名なフランスのピアニストであることを初めて知った。彼に送られて帰る途中、風はいよいよ激しく、雨はますます降りしきって、道路は交通途絶になった。ヘレンとフィリップは誰もいない小さな教会の中へ、ひとまず避難した。嵐と洪水と津波さえ起って2人はとうとう教会に閉じこめられたまま一歩も外へ出られなくなった。ヘレンは、もう2人とも命は助からないのではないかと思った。かよわい女だけに、決心のつくのも早かったのであろう。ヘレンはフィリップを愛していると打明けた。彼は何か言おうとしたが、最後の時を幸せに過すため、ヘレンは何も聞きたくないとそれを断った。しかし次の朝になって、2人は救護にかけつけた人々のために救われた。ヘレンはこの時フィリップから妻があることを聞かされ、1人でニューヨークのバスに乗ったが、昨日の嵐が交通が途絶して立往生になった時、フィリップが自動車で連れに来た。そうして彼女はフィリップの妻マデリンと彼女の母デュラン夫人と顔を合せたのだった。マデリンの顔色に何かただならぬものを感じたヘレンは、後で自分のアパートに帰った時、フィリップの口から妻は子供を死産して以来時々精神を乱すようになり、それは段々ひどくなるばかりだと聞かされた。フィリップが別れて帰ってみるとマデリンはどこかへ姿をくらましていた。マデリンは1人でヘレンを訪れたのである。脅したり泣いたりして、彼女はヘレンにフィリップを諦めてくれと言うのだった。フィリップがパリへ立つ夜、彼はヘレンを同伴しようと言うが、マデリンの哀れな有様に心を打たれた彼女は、2人は友たちのままで別れましょうと静かに辞退した。そして恐らくもう2度とは逢えないフィリップの後姿を、ヘレンは涙にくれて何時までも見送った。

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作品データ

原題
When Tomorrow Comes
製作年
1939年
製作国
アメリカ
配給
ユニヴァーサル支社
初公開日
1946年7月
製作会社
ユニヴァーサル映画


[c]キネマ旬報社