ジェームズ・メイソン
Cicero
「イヴの総て」のジョセフ・L・マンキーウィッツが監督した作品で、L・C・モイズィッシュのスパイ実話を映画化したもの。製作は「出獄」のオットー・ラング。原著を「陽の当る場所」のマイケル・ウィルソンが脚色。撮影は「砂漠の鬼将軍」のノーバート・ブロディン、音楽はバーナード・ハーマン(「戦慄の調べ」)の担当である。主演は「砂漠の鬼将軍」のジェームズ・メイスンに「輪舞」のダニエル・ダリュウで、以下「黒ばら」のマイケル・レニー、「イヴの総て」のウォルター・ハムデンが共演、舞台からオスカー・カールウェイズが参加している。
第二次大戦中、中立国トルコに駐在する英国大使の執事ディエロ(ジェームズ・メイスン)は、大使の信頼を奇貨として機密書類を小型カメラに収め、そのネガをドイツ大使館武官モイズィッシュ(オスカー・カールウェイズ)に売りつけようとした。機密書類が本物であることを知ったドイツ大使フォン・パーベンは早速これを利用、かくてディエロはシセロの偽名で着々と財貨を獲得するに至った。更に彼はかつて執事として仕えたスタヴィスカ伯爵の未亡人アンナ(ダニエル・ダリュー)を語らい、彼女をモイズィッシュに近付けて機密の売買に当たらせた上、金と押しとで彼女を征服した。一方、機密漏洩に気付いた英国は逆間諜トラヴァース(マイケル・レニー)をアンカラに派遣、危うしと見たディエロはアンナとともにスイスへ逃亡する準備を始めたが、アンナはいち早く彼の金も拐帯して先にスイスへ逃げてしまった。一文無しになったディエロは最後の手段と連合軍ノルマンジイ上陸作戦の機密を手に入れイスタンブールで10万ドルの価格をもってモイズィッシュに売りつけたが、トラヴァースに狙われ出したので南米へ高飛びした。ナチ諜報部は、手に入れた機密を英国のトリックとして問題にしなかったが、これこそ後にドイツ敗北の要因となった作戦計画であった。リオ・デ・ジャネイロで豪壮な邸宅に収まったディエロは、一時は平和な暮らしを続けるかと思われたが、あるとき訪ねてきた官憲が、彼がドイツ大使館から受け取った英国紙幣はすべてニセ札であった証拠を突きつけられた。アンナが持ち逃げした金も同じくニセものだったのである。ディエロは、山とつまれた札を風に散らしながら、はかない最後に笑いこけた。
Cicero
Anna
George_Travers
Sir_Frederic
Moyzisch
Col._von_Richter
Von_Papen
Siebert
MacFadden
Morrison
Steuben
Von_Papen's_Secretary
Da_Costa
Santos
Turkish_Ambassador
Italian_Ambassador
Japanese_Ambassador
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