哀川翔
生垣幸太郎
中年ヤクザが地球を滅亡させるためにやって来た宇宙人と遭遇し、地球最期の瞬間に向かって様々な人々の思惑が交錯していく異色コメディ。出演は「ゼブラーマン」の哀川翔と「空中庭園」の板尾創路。監督は「Believer」の多胡由章。
夜空に瞬く星は、遠い昔に消えた惑星の最期の輝きだという。その惑星の中にも、星の数ほどの人々の暮らしがあった。パチンとはじけた人生もあれば、輝き続けた人生もある。太陽系第三惑星・地球。この星は今、最期の時を迎えようとしていた。そこにもまた、星の数ほどの人々の暮らしがある。その中に、宇宙のチリみたいにしょーもない連中がいた。生垣幸太郎(哀川翔)は、仲間に”死神”と呼ばれるくらいヤバイ人生を歩んできた極道だ。彼は今、人生最大の危機に直面していた。本家の大親分(曽根晴美)に見込まれて、幸太郎が中国マフィア(ベンガル)とのヤクの取引を任されたことを、組長の臼井(団時朗)に嫉まれていた。臼井は幸太郎の舎弟・ケンジ(我修院達也)を使って密かに取引の妨害を企んでいた。幸太郎の恋人・香奈(有坂来瞳)もまた、金の誘惑に負けて、臼井の情婦に堕ちていた。さらに、昇進のためにはどんな汚い手段も厭わない泊刑事(佐戸井けん太)たちも、取引に向かう幸太郎を泳がせて一網打尽にしようと尾行を続けている。一方、そんな事態とはまるで関係なく、幸太郎の幼なじみの佐藤(酒井敏也)は、仕事そっちのけで離婚の危機に思い悩んでいた。取引時刻まで、あと3時間。そんな中、幸太郎の前に、どう見ても浮浪者にしか見えない汚い身なりの男(板尾創路)が現れた。自ら、”宇宙人”だと名乗る男は、「地球を滅亡させにやってきた」と幸太郎に告げる。宇宙人の言葉を信じようとしない幸太郎であったがやがて彼は宇宙人の口からある事実を知らされる。幸太郎と幼なじみの佐藤と宇宙人の間には、少年時代のある秘密が隠されていたのだ。
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