アイリーン・リッチ
Lady_Diana
「評判女候補者」「母よ愚なれ」のアイリーン・リッチ嬢が主演する映画でマーク・キャンフィールド氏の原作から「愛欲争闘街」のアンソニー・コールドウェイ氏が脚色し、「大地の果てまで」「テンダーロイン」のマイケル・カーティズ氏が監督したもの。助演者として「母よ愚なれ」「ドノヴァン」のウィリアム・コリアー・ジュニア氏、故ウィリアム・ラッセル氏、「昼閑夫人」「母よ愚なれ」のリチャード・タッカー氏、「評判女候補者」「スピードウェイ」のジョン・ミルジャン氏等が出演、撮影は「巴里酔語」「輝く天国」のコンラッド・ウェルズ氏が担任している。
マクスウェル大尉と結婚したディアナはロンドンの上流社会に育ったために淑やかなことを好み良人の荒々しい振舞いに恐れを抱いた。マクスウェルがインド駐在を命ぜられるや彼女も良人に従って任地に赴いたがロンドンとはまるで変わったその地の暑熱や無礼に苦しめられ彼女は毎日の生活を耐え難く送っていた。そこへラリー・トレントという年若い中尉が来た。トレントの物静かな態度を彼女は好んだ。だが彼女の嫉妬深い良人はディアナと親しくするトレントを憎んで彼を危険なる蕃地に派遣した。ディアナはトレントの身を案じてそれを中止させようとしたが無駄であった。砂漠でトレントはケロッグ中尉に合った。ケロッグはディアナに恋してマクスウェルから砂漠へ追放同様にされた男であった。二人がようやく要塞へ戻りついた時マクスウェルは近くに反旗を翻した原住民を討伐するために出発した。ディアナはトレントが良人の憎しみを受けていることを知っているので彼に逃走をすすめた。そしてトレントが立ち去ろうとした際彼女も一時の気の弱さから共に要塞を去った。二人は砂漠で嵐に襲われた。一緒に身を隠すことは彼女に不利であると知ったトレントはディアナを要塞に連れ戻った。それを見つけたケロッグはマクスウェルに告げると言った。その争いの最中トレントは自己防衛上からケロッグを殺した。トレントは10年の刑に処せられんとした。ディアナは彼を救うためまた自分のためにロンドンへ赴きマクスウェルとの離婚手続きを済ませ、かねてから彼女を深く愛していた外務省勤務のシドニー・ヴィンセントと結婚した。シドニーの計らいでトレントは赦免された。そしてロンドンに帰ってきたトレントは苛酷なマクスウェルから解放されたディアナを見て喜んだ。トレントの傍らには彼の新妻がいた。
Lady_Diana
Captain_Maxwell
Lt._Larry_Trent
Fitzroy
Henery
Lt._Kellogg
Sir_Sydney_Vincent
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